2003年11月16日(日) |
人 養老 孟司(たけし)さん |
私が解剖学者の養老さんの文章に接したのは、2000年10月のことであった。養老さんが毎日新聞の「時代の風」に登場したのだ。社会を見る視点が独創的であり、文章も分かりやすく軽快であった。この人のコラム(エッセイかもしれない)は、月1回で2002年12月まで続いた。月刊誌潮の12月号で「現代の主役」として養老さんが登場していた。 この人が書いた「バカの壁」がベストセラーになっている。養老さんが言いたいバカの壁とは何か。関心のある人はこの本を読まれたら良いと思う。バカの壁の要点は「現代人は、何だって理解できると勘違いしているのです。つまり自分の考えにこだわって、相手の話しに耳を傾けようとしない。全部でき上がっている世界の中で固まって壁を作り、そこから外を見ようとしないんです」との指摘である。要点中の要点は「自分の考えにこだわって、相手の話に耳を傾けない」ことだろう。 1997年1月27日の日々の映像で、アインシュタインの言葉「常識とは、18歳以前の心につもりにつもった偏見以上の何物でもない。それから後に出会うどんな新しい考えも、この『常識』の概念と闘わねばならない」を引用して、上記と同じ趣旨のことを書いた。現代人は自分の常識にこだわっている人が余りに多いと思う。これでは多くの友人も出来ないし、人とのコミュニケーションは生まれにくいと思う。ともかく、自分の考えにこだわっている人は友人知人が少ない侘しい人生を送るしかないのだ。
・僅かなる 自分の知識に こだわって 自ら拒否する 新たな概念
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