天下無敵な過ごし方
ああ、今日も今日だねぇ。
ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
2002年07月25日(木) オフその後 癒しのそよわーるど 夜

そよさんが住む ニセコ。
工事ばかりの道を 1時間半、
両脇にじゃがいも畑、ぽつぽつ見える屋根。
まったく本州では お目にかかることのない 独特の風景。

少し迷って 無事ペンションに着く。
旅の宿「吟渓」は そよさんが紹介して下さった。
他にもいろいろ候補をあげてくださったのだが、
美味しい日本酒があるらしい。
料理が美味しいらしい。
8月のそよおふの会場でもあるらしい。
ということで 好奇心満々で決めた。

みごと 大当たり。

まず、入ってとても気持ちのいい木の香。
やさしくて人懐っこい笑顔が素敵なオーナー御夫妻。
まずは 部屋に案内してもらって、夕食までの間少し休む。

夕食は そよさんとそよさんの写真のセンセの若林さんと御一緒の予定。
この旅を企画する時、そよさんに「お会い出来ますか?」と
メールで伺った時、快く夕食と次の日におつき合いいただけると
御返事を頂いたのだった。

そよさんは そよさんだった。
息子さんが書いた絵にそっくりで、
きらきらとした瞳と優しく笑う声。
雰囲気が とても素敵な女性だった。

そして 若林さんは
爽やかで 話し上手で 魅力的。
やはり活き活きしてる。 

4人で食事をしたのだが、
初対面のたけぞ氏も和んでいるのが分かる。
料理もどれもこれも優しくて美味しいし、
オーナーが選んでくれた日本酒もとても美味しかった。

食事が済んだ後は、若林さんの写真のスライド上映会。
ニセコの自然、生きてるもの、はかないもの
大きさを問わず、どれもこれも 愛でて撮影してる感じ。
植物や自然現象の説明もさることながら、
撮影中の苦労話も さらりと話してくれて、
目も耳も その世界に魅せられていた。

若林さんの写真は その山の青が 
あたしが好きな 東山魁夷 に似ている。
そう言ったら 若林さんも 東山魁夷が好きらしい。
なんだか納得。なんだか嬉しい。


そよさんは メールでは おしゃべりが上手ではない
って仰っていたのだが、
そう?と思うほど、いろいろなことを楽しそうに話してくれた。
団欒 というトーンがとても相応しい雰囲気を創りだして。


リビングに置いてある 徳丸滋画伯 の画集を眺めながら、
若林さんと知り合いであること、
テーマが似ていて、それをテレビで取り上げられたこともあること、
そんなこんなを話していたら、
本物を観たくなってきた。
そんな気持ちをいち早く察知してくれた そよさんが
「明日、ギャラリーに行きませんか?」と言ってくれた。
そしたら、若林さんが ぴっぴっぴと携帯で 
徳丸さんに電話を掛けてくれて、
「明日、東京から来た知り合いが行くから 宜しくお願いします」と。
うわ〜い。

楽しい時間は あっという間に過ぎて、
そよさんと若林さんは お帰りに。
そよさんとは 明日の朝の時間を約束して、
若林さんには 3人の写真を撮ってもらった。

そんなに日本酒は飲んでいなかったし、
オーナーも「もっとお飲みになりますか?」と勧めて下さったのだが、
ココロが充分に満足していたので、辞退した。

部屋に戻り、早々と寝ることに。

喋るのを止めると そこは耳がいたくなる程の静寂の世界があった。
人工的な音が聞こえない。
耳が壊れてしまったのでは?と思う程、静かな世界だった。
不安な感じはない。夜だから静かなんだと ただそう思う。

「今夜は星が見られないね」と 
あの写真の満天の星に魅入られたたけぞ氏が、心底残念そうに呟く。

珍しく、たけぞ氏も 音を立てないで寝た。

静かで深いニセコの夜だった。


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