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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
雨が降りそうなせいか、生あたたかかったです。 「退屈しない、ねえ」 彼女はつぶやいた。 「私も退屈しなかったわ。マレモンと一緒にいて」 「私もだ。クレンと旅が出来て人というものが少し分かった気がする。チャーミグはつくづく世捨て人だったのだ、と思う」 「確かにチャーミグは世捨て人だ。旅は退屈ではないだろう。しかし、この村を出ずとも私は退屈してない」 「そう。じゃあいいわ。ひとり欠席ね」 「仕方がない」 彼女は村へ戻ろうとする。虎もその後を付いて行く。羊は何も言わず言えの中に入って行った。 次の日、彼女と虎はまた羊が占いをしている。 「占ってくれるかしら?」 と、彼女は男に言った。 「ええ、並んでいてください」 羊の幻術によって生み出されている男は、実に人らしく振る舞っていた。羊がイメージする人がそこにいるように動く。物を受け取ったり出来るのも、羊の術の賜物である。 順番が巡り、彼女の番となった。 「何を占って欲しい?」 「私の行く先を」 彼女はにっこりと笑った。
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