|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
あれこれと悩むより、その時の気持ちで動いてしまう。 あの黒い塊と死神、それが彼女が神殺し、悪魔殺しが出来る所以だと、虎は思った。 「あなたは、死神を使役できるほどの方なんですか......」 と、神父。人には神を使役する事は不可能なはずだと彼は思っている。 「いえ。私は女神様の力を借りているだけ。精霊様たちも同じ。使役なんて、身の程知らずもいいところよ」 彼女は剣を鞘に戻す。そして、教会を出て行った。そのあとを黙って虎が付いて行く。 宿に戻ると、彼女は再びベッドに潜り込む。 「クレン、ご飯は?」 「いらない」 彼女は毛布を腕で持ち上げた。 「ねえ、マレモン、一緒に寝てくれる? ベッドはあまり得意じゃないけど、ちょっとだけでも」 虎は黙ってベッドの上に乗り、彼女の横に寝そべった。 「やっぱり、あったかいわ」 今度こそ、この街を出る事になった。食料や飲料、その他もろもろの旅の準備をして彼女と虎は出発した。 昨日とは打って変わって彼女は元気だった。 「いい出発日和ね、マレモン」 「そうだな」 「あなたの仲間、見つかるといいね」 街を出て、しばらく歩くと牧場があった。広い柵があり、その中に牛が何頭かいる。 「乳牛ね。もしかしたら、アイスクリームなんかあるかも」 彼女は少し興味を持った。むろん、彼女が言う、アイスがあるかどうかだけなのだが。 「クレン、ほんと元気になったね」 「私はいつでも元気よ」 昨日のことなどなかったように振る舞う。 「それにこの中に、話す牛がいるかもしれないじゃない?」
|