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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
続き! 王はニコニコとして答えた。 「この大陸を統一したときは、それはそれは忙しかった。それで何年も城に閉じこもって仕事に追われたよ。ところが、いざ皆に姿を見せようと思ったら、どうも機会を見失ってしまってな。だから、今日、改めて五十年という節目に皆に会おうと思ったのだ」 不思議な話だがありえなくもないか、と彼女は納得しかけた。しかし、まだ納得いかない部分が多い。ただ、これ以上尋ねるのは失礼だ。別に彼女が気にする事ではないのだから。 「私などの質問答えてくださってありがとうございます、王様」 「よいよい。お嬢さん、良い旅を続けてください」 「人の王様、私も一つ質問したい」 と、虎は言った。 「おお、そちは話せるのか? 申してみよ」 「どうしてこの城はこんなに広いのか? 不便ではないか?」 「虎よ。この城はもともとわしの城ではないのだよ。元はドラゴンが住まう城だったらしい」 「そうなのか?」 「そうなのだ。いつしかこの城のドラゴンがいなくなり、今はわしが住んでいるのだ」 「では、ドラゴンが戻って来たらどうするのだ?」 「仕方が無い。どこかの家に住まうしかない」 ニコニコと王は言う。 「その時はどうか、私のうちへ」 「王様、いつでも歓迎します」 人々は口々に言った。姿を見せなかった王だが、人々には厚い信頼があるらしい。
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