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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
タイトルの意味ない! 昼の銅鑼が鳴る。五十人の入城者は城の前に集まっていた。 「こんな大きなお城ならまだ人が入れそうなのにね」 「あまり沢山で入ったら対応が大変だからじゃないか?」 彼女と虎はその五十人の中にいた。 城門が開かれる。かなりの大きさだった。中は殺風景と言うほど何も無い。彫刻の施された壁が並んでいた。 きらびやかなダンスホールがあるわけでなく、ただただ広い造りの城。巨大な城だった。それでも、人はその大きさに心を奪われた。 「この広い城で王様は姿を見せず、何をしているんだろう」 と、虎。 「そうね」 その点で彼女も不思議に思った。高く造られた天井、無駄に広いスペース、マレモンが駆け回ったところでなんの問題の無い。花瓶や壷なども見当たらない。 「なんで、こんなに広くする必要があるのかしら?」 いくらなんでも、こんなに広ければ生活に支障がでるのではないか? と。案内役の大臣や秘書を見ると、慣れた者で平気で早歩きをしていた。 「では、うほん。これから謁見の間へ招待する。王様は皆にお会いするのを楽しみにしている」 その言葉を聞いて、人々は驚いた。城に入っても王様には合えないものだとばかり思っていた者ばかりだったのだ。彼女も虎もそれを楽しみにした。 「それでは、王様のおなーりー」 謁見の間には大きなクッションがあった。それこそ五十人が全員横に並んで座っても余るほどのクッションだった。王座にはそれしかない。そこにちょこんと王は座っていた。 「ようこそ、我が民よ。お初にお目にかかる。フラワキンだ」 「王様、ごきげんよう」 「王様、初めまして」 「こんにちは、王様。お会いできて光栄ですわ」 人々が口々に言う。フラワキン王は、目尻の下がった好々爺だった。ニコニコと笑みをくずさない。五十年前、戦争で勝ち残り、この大陸を治めた王と思えないほどの大人しい老人だった。年は相応のようだが。 「王様、こんにちは」 彼女は思い切って話しかけた。 「こんにちは、お嬢さん」 「私は旅の者ですが、偶然にも祭りの時期にこの街に入り、幸運にもこのお城へ入る事が出来ました。ですから、不思議に思う事がありまして、一つ聞かせていただきたいのですが」 「どうぞどうぞ」 「何故、今までお姿をお見せにならなかったのですか?」
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