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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
まだ治りきらない。 姿を見せない王様がいる街。 宿はすぐに見つかった。一定料金で、誰でも泊まる事ができるというのだ。さすがに宿の主人は虎に驚いたが。 昼食がまだだったので、定食屋へ行って食事をすることにした。時間は昼を過ぎており、人はまばらだったので彼女と虎は目立った。カウンター席に腰を掛けて、メニューを見る。 「パスタにしよーか」 「パスタ? ああ、あの長いのか」 「今度はクリームソースのにしようかな」 注文して、しばらくするとまばらだった人も食事を終えて帰って行った。なので、カウンター越しに店の従業員は休んでいる。彼女と虎が来なければ今頃は昼休みだったのだ。 「ねえ、王様って一度も姿をみせたことないって本当?」 パスタを巻き付けながら彼女は尋ねた。 「ああ、本当さ。王様からの命令はいつも大臣がやるんだよ」 「へー」 「この大陸を治めて五十年、王様もいい年なはずなのに、妃もいないし子供もいない。本当どうなっているんだかな」 従業員はぼんやりと言った。よく見るとまだそんなに老けていない。 「でも、なんで姿も見せない王様に大陸を治める事が出来たのかしら?」 彼女も自分が生まれる前の大きな戦争のことは知らない。ただ、今この大陸を治める王がすべてを統一させ、今の平和な時代にいると聞かされている。 「そりゃ、王様の軍が強かったからだよ」 従業員はちらちらと彼女を見る。それに気づいた彼女は早めにパスタを食べ終えた。虎も牛肉入りのスープを平らげる。 「ごちそうさま。とってもおいしかった」
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