|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
何が? 「合図ねぇ」 「合図か......」 それを考えながら二人は大きな街の門に入った。 「王都だわ」 「オウト?」 「ええ、この大陸を治める王様がいる都よ」 「人の王か。さぞかし強いのだな」 「さあ。人を治めるのが必ずしも強者とは限らないわ」 彼女と虎が門を通り過ぎようとしたとき、門番に止められた。 「あなたたちは?」 「私たちは旅の者です」 「目的があって旅をしている」 「よわったな。虎なんかが入ったら街中混乱しちゃうだろう」 「私は入ったらダメなのか?」 「いや、そーじゃないんだ。我が王は、何人も差別なく通せと言っている。私は誰が入って来たのかもれなくチェックしなければならないから呼び止めただけなんだ。 とにかく、お嬢さんと虎のお名前をお伺いします」 「クレン=グリムです」 「マレモンだ」 「クレンさんとマレモンさんね。では、ごゆっくり」 「誰も王様を見た人はいない」 彼女は言った。 「なんだそれは?」 「あの城に王様がいる事は誰もが知っているけど、王様を見た者は誰もいないって言われるの。それって、本当かな?」 「聞いてみればいい」 「そうね。でも、とりあえずは」 「今夜の宿だな」
|