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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
くまの○ーさんは、なんでしょう? というラジオのクイズがあったらしい? 翌日、彼女は虎と会った。昨夜の事は夢じゃないと確信させられる。約束の場所に既に虎は待っていた。地面に大きな体を伏せている。通行人は虎を見て見ぬ振りをする。 「おはよ、マレモン」 「お早う、クレン」 「さ、さっそくケーキを食べに行こうと言いたいところだけど、まだケーキ屋は開いてないの」 「つまらんな。人の朝は遅過ぎる」 「そんなことはないんだけどね」 彼女は、人の生活に合わせて店が開く事を教え、虎はそれを感心した。 「なるほど、それで無駄がないのだな」 「少し、この街を散歩しましょうか。私、この街は初めてなんだ」 「私もだ」 「マレモン、あなたは旅の途中なの?」 「旅......そうかもしれない」 「そうかもしれないって?」 「私は探しているのだ。私と同じように話す動物を」 「どうして?」 「じいさんが死んでしまった時、聞いたのだ。『わしはお前の他にたくさんの動物に言葉を教えた』と。だから最期を看取った私には、その動物たちにじいさんの死を伝えなければならないのだ」 「そう」 この虎は律儀だな、と彼女は思う。一方で、人の食べ物に興味を持っているのだ。人と生活し人の言葉を得た虎は人に対して好奇心が旺盛だった。 「クレンはどうして旅をしている?」 今度は虎から尋ねて来た。
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