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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
滑ってる私です。給食関係は面倒なんですよ。(検便結果がまだ出ないので、働けない) 『ねえ、レイム。シルバーって知ってる?』 「ああ、その昔、フォーランズを騒がせた怪盗だろ。かなり昔の話だ。伝説に近い」 食事を終え、宿のベッドの上で食休みをしているところだった。寒いので毛布を掛けている。 『私、今度はそれ名乗ろうと思っているの』 「いいんじゃないか?」 リースリーズと一緒になってからでも彼はウォンテッダーを続けている。ただし、勘当の身を解かれた彼は冬になったら実家に戻って家の手伝いをするつもりでいる。また旅をしている間、嵐などに遭うと身動きできないので宿で裁縫をしている。 『私にもなにか作ってよ』 「あんたも? でもよ、結局俺が着るみたいなもんじゃないか?」 『そうだけどさ、私も人間の女の子に近い物があるのよね。だから、かわいい服とか着たいのよ』 「そうか。どんなのがいいんだ?」 『そうねぇ』 リースリーズが黙っていると、レイムはちょっと思いついた。 『本物のリースリーズのことを考えているの? 止めな。盗族に会うなんてしない方がいい』 「俺の頭、読んだな」 『盗族は人間ながら魔族に近いものだよ。殺しはしないけれど、その代わり生きる為なら何でもする。仲間を見捨ててでも自分を生かすんだ』 「そんなに酷いのか?」 『リースリーズはその中で暮らしていた。あの子は人間に近いけど、やっぱり盗族だったわ。死ぬときはほんと、間抜けだったけどね。まず、盗族なんかに会ってみなさい。すぐに餌食にされるわ。あいつら、自分たちは盗む事しか知らないから奴隷をほしがっているのよ』 「リースリーズが、とっくに死んでいる事を教えたいんだけど」 『私は今、お腹いっぱい。だからリースリーズは休業中。表に出なければそのうち死んだとかっていう噂が流れるわ。それに、リースリーズは私なのよ』 「わかった。ごめん」 『わかればよろし』 「でも、なんかシルバーって名乗るんじゃないのか?」 『やっぱやめた。リースリーズがいい。あ、そうそう。シルバーはね、一度現れなくなって、何十年もして再び現れたのよ』 「うん。なんかそれは初代の孫だとかなんとか」 『私もそれをやろうかと思って』 「そん時は、お前、俺から離れて別の誰かに憑いているだろうな」 『そうね......。あ、そうだ。こんなのが欲しいな』 数ヶ月して、レイムは一着のドレスを仕上げた。 それを今、遠く離れたジョウロフェンツァのイザリアが手にしている。 「お、すごいじゃないか」 イザリアの父がそれを見て言った。彼女には少々大きいが、彼女がもう少し大きくなれば問題ない。 「リースリーズから、体を勝手に使ったお詫びだって。レイム君って、やっぱり上手ね」 レイム=トグスマン。ウォンテッダー引退後は、実家があった場所に戻り、そこで仕立て屋として余生を送った。センスの良さとシンプルで着やすく、値段も手頃な服を作るという事でウォンテッダー御用達となり街は小さいながらも活気に満ちた。少々、余生としては忙しいものだったが。 それはリースリーズにとっては退屈だったが、最期まで彼と一緒にいた。 おわり
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