気まぐれ日記
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2006年11月15日(水) 人生の小さな落とし穴

 HPを手直したんだけど、携帯で見れないなと思っていたら、登録していたアドレスが間違っていた。確認したのに......。ともかく、これでトップページには行けるようになりました。あとは大きすぎて一画面に入りきれないのを半分にするだけだわ。




 「だが、リースリーズ。お主は優しい奴のようだ」
 「何言うんだ? アニム」
 「小生が一番嫌な奴に変身しないからだ」
 それが、ゼム=ワーケードということをバルクは知っている。表向きは商人だったが、裏では人身販売もする。エルフのような珍しいものも入る。アニムはその男に買われた。
 「そうね。そんなのに変身すると逆上されると怖いから。それより効果的なのは、こっちよね」
 彼女はまた姿を変えた。栗色の髪の少女。二人がよく知る顔だった。
 「ルイ」
 「悪魔の女の子ね。この子の特技は......」
 恐ろしく強力な睡魔が彼らを襲う。
 「この姿には攻撃できないでしょ? このやり方の方が好きなのよ」
 彼女の姿が元に戻る。倒れ眠り込んだ二人に笑みをこぼした。
 
 「大丈夫ですか? お二方?」
 ウェズマーカーの執事が二人を揺すり起こす。
 「......やられたのう」
 「ああ、全くだ」
 リースリーズはその後盗む物を盗んで屋敷から去った。
 「大丈夫だったのか?」
 「ええ、わたくしは地下で眠らされていただけですから」
 執事も怪我らしいものはない。
 「ウォンテッダーのお二方、申し訳ございません。わたくしがもっとしっかりしていたら......」
 執事もあまり期待していなかった。先日ですでにウォンテッダーのほとんどはやられていたのだ。
 「これは旦那様から、少しですが」
 ウェズマーカーは奮闘してくれたウォンテッダーに少しばかりの労い金を用意していた。後にこの事は新聞に載り「妻との思い出はまだまだ作る」と言った。

 宿に戻る。酒屋はまだ開いていた。深夜をすぎているので人は数えるほどだった。
 「親父、ウィスキーのストレートで」
 「果実酒のストレート、甘いので頼む」
 カウンターに座るなり注文。
 「珍しいな、お前が」
 「お主こそ、ウィスキーなんか飲むとは思わんかった」
 カウンターにグラスが置かれる。それを手に取るなり一気に飲み干した。ウィスキーにしても果実酒にしても喉が焼けるような気がした。
 「親父、つまみ。サラミとクラッカー、チーズ付きで」
 「ローストビーフサンド」
 「あと、ビール」
 「すまん、小生はジュースで」
 注文の物が目の前に並ぶとアニムはずずっとジュースをすすった。
 「まさか、記憶や経験がアダになるとはのう」
 「ああ。そうだな」
 バルクが一口、ビールを流し込む。
 「だけど、あれはなんとかしねえとなんねえ。どうしたらいいんだ?」
 「ど素人だ」
 「は?」
 「相手が人間ならいつかそれを乗り越えることは可能だ。お主のところの奴ら以外ならのう」
 バルクが少し引きつる。しかし言い返さなかった。
 「だが、ドラゴンの長だの妖精主だの魔王だの。到底乗り越える事は不可能だ。人間が足元におよぶものではない。だから、そんなものはもちろん、魔族も目にしたことがないウォンテッダーに託すしかないだろ」
 「なるほどな。だけどよ、そんなんじゃリースリーズにも相手になんねえんじゃねえか?」
 「ビギナーズラック、そういったものに掛けるしかないだろ」
 「そんな奴、いるか?」
 アニムはローストビーフサンドを口に入れるのを止めた。
 「さあてのう」
 ちょっと考えてから続ける。
 「ともかく、そうでもせんとリースリーズを捕まえるはできんだろ」
 そして、今度こそローストビーフサンドをほおばった。

           リースリーズ序章、おわり


草うららか |MAIL

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