気まぐれ日記
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本当の本当にこの田中学院に登場する人物の名前は、「そこらへんにありそうで」「適当に」「身近の人とは関係なく」つけた名前ばかりです。 なんですけれど、「岡崎良介」さんと「田中玲子」さんは実在してます。すいません、単なる偶然として犬に噛まれたと思って忘れてください。
怪我や具合を悪くしてしまう生徒が多くなるのは決まって月初めだった。記録長を見ると、それらは月初めに集中している。上田は首をかしげつつ、帰宅する準備をした。そして、ふと思い出す。 今日は部活動の日だったな。 保険医である彼だが、実は部活の顧問をしている。その部活が行われている狭い教室へ行ってみると誰もいなかった。時間も遅いこともあって、もう帰ってしまったのだろうと思い、彼も帰宅することにした。 「お、アキラ、今帰りか?」 声を掛けたのは黒岩淳一だった。高等部の体育教師だが筋肉質ではなく、マラソン選手系である。上田とは幼馴染である。 「なんだ、淳か」 「なんだはないだろ。それよか、ラーメンでも食って帰らないか」 「ああ、そうだな」 それも悪くない。たまにはいいだろう。 そんなわけで、トンデン軒に入った。そこに見慣れた二人がいる。 「倉本と良……」 この組み合わせは珍しくない。 「先生もラーメン?」 すでに綾名はチャーシュー味噌大盛りと餃子を平らげて、塩野菜ラーメン大盛りを食べている。 「おいおい、綾名ちゃん。ほどほどにしとけよ」 「平気平気、まだ序の口だから」 「良、部活は?」 「もうすんだ」 「今日は何呼び出した?」 「枕草子。でも今日も失敗したよ」 「そうか、平和なことだ」 枕草子という単語に疑問符を思い浮かべながら上田はメニューを見た。 「醤油ラーメン。普通で」 「あ、醤油もいいなぁ」 綾名は醤油も注文した。 「なあ、アキラ」 「なんだよ」 「枕草子って……」 「良は歴史と古典がダメなんだよ。確か」 「優の弟なんだけどな」 「みかんとおんなじだ。名前の通り、優よりは劣るんだよ。多分」 岡崎優介もこの二人と幼馴染である。
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