気まぐれ日記
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いやさ、この間「買っちゃったー」っていうのは、キーボード(電子ピアノ?)なの。音はまあ、うん、ピアノに近い音なだけだしキーに重みがないちゃちいヤツだけど、とりあえず鳴ればいいかな、という具合で。
どうせ、道楽でやっていることなので。
曲は、言わなくてもわかるでしょ。 今のピアノ教室は弾きたいものを弾かせてくれるらしいですよ。(大人は、だと思いますが)
昨日の続き
セルヴェスは基本的に人間は好きなようだった。老若男女問わずに。だが、嫌いな人間もいる。彼の恋人を死に至らしたドラゴンスレイヤーと呼ばれる存在。 彼の話によると、 「同族に確かに、人間に殺されても仕方がないというのがいる。でも、それは私たちドラゴンも同じだ」 つまり、ドラゴンにも殺したいと思う人間がいるというのだ。 ある時、強盗団に襲われた。あるもの全部だせ、そしたら命は助けてやる、そんなお決まりな台詞を吐かれた。 「どうしよ……」 僕はセルヴェスの腕にしがみつく。 「いい女だな、コレも置いていけ」 と、強盗団の一人。ルヴィアを指して言う。あーあ、言っちゃった。 「なんだと? 人間の分際で私をどうするつもりだ」 温度が急に上がるのを感じる。人間の姿をしていてドラゴンの能力も半分以下だが、今の一言で十分人間以上の力を発揮できる。 「このアマ、俺たちをどうしよってんだ?」 この温度の差をさほど感じないのかと思う。ルヴィアは腕を掴まれた。 「ぎゃあっ!」 悲鳴を上げたのは男のほうだ。ひるんだ男の股間をルヴィアは蹴とばした。 「よく、知ってるね」 「護身術の講座で言っていた。人間のオスの急所らしい」 「そう」 仲間一人が倒れ、他のメンバーがこちらに向かってくる。振り落とされた剣をロイタスが腕で受けた。 「こっちの腕だけ、鱗のままなんですよ。だから大丈夫」 ロイタスとルヴィア、この二人は半分以下だがドラゴンには変わりない。問題はセルヴェス。素手で剣を受けてしまった。 ほとんど人間に近い彼はこの二人ほどの力はない。 「すまない。お前たちはそれで暮らしているだろうが、私たちは目的があって旅をしている。だからもっと豊かな者から穏便に奪え」 「はぁ? なんだとぅ!」 「頼む」 セルヴェスの眼を見た男は剣を納めてしまった。それは相手の背筋を凍らせるほど鋭い眼光を放つ眼。彼の眼力はドラゴンそのものだった。
「痛い?」 強盗団が去った後、僕はセルヴェスの傷の手当てをする。傷の治りは一応ドラゴンであるので早い。彼は中途半端にドラゴンの能力を残している。 「まあ、大した痛みじゃない」 彼らにとっての最大の痛みは、無理やり鱗をはがすことらしい。 「人間は不便だ。剣で傷が付く」 「はかないですね。それで死ぬということもあるなんて」 「だから、懸命に生きるからいい」 それが、彼らの解釈なのだろうか。 ともかく、彼らとの旅はまだ続く。
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