気まぐれ日記
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2006年06月10日(土) 練習中

 いやさ、この間「買っちゃったー」っていうのは、キーボード(電子ピアノ?)なの。音はまあ、うん、ピアノに近い音なだけだしキーに重みがないちゃちいヤツだけど、とりあえず鳴ればいいかな、という具合で。

 どうせ、道楽でやっていることなので。

 曲は、言わなくてもわかるでしょ。
 今のピアノ教室は弾きたいものを弾かせてくれるらしいですよ。(大人は、だと思いますが)


 昨日の続き

 
 セルヴェスは基本的に人間は好きなようだった。老若男女問わずに。だが、嫌いな人間もいる。彼の恋人を死に至らしたドラゴンスレイヤーと呼ばれる存在。
 彼の話によると、
 「同族に確かに、人間に殺されても仕方がないというのがいる。でも、それは私たちドラゴンも同じだ」
 つまり、ドラゴンにも殺したいと思う人間がいるというのだ。
 
 ある時、強盗団に襲われた。あるもの全部だせ、そしたら命は助けてやる、そんなお決まりな台詞を吐かれた。
 「どうしよ……」
 僕はセルヴェスの腕にしがみつく。
 「いい女だな、コレも置いていけ」
 と、強盗団の一人。ルヴィアを指して言う。あーあ、言っちゃった。
 「なんだと? 人間の分際で私をどうするつもりだ」
 温度が急に上がるのを感じる。人間の姿をしていてドラゴンの能力も半分以下だが、今の一言で十分人間以上の力を発揮できる。
 「このアマ、俺たちをどうしよってんだ?」
 この温度の差をさほど感じないのかと思う。ルヴィアは腕を掴まれた。
 「ぎゃあっ!」
 悲鳴を上げたのは男のほうだ。ひるんだ男の股間をルヴィアは蹴とばした。
 「よく、知ってるね」
 「護身術の講座で言っていた。人間のオスの急所らしい」
 「そう」
 仲間一人が倒れ、他のメンバーがこちらに向かってくる。振り落とされた剣をロイタスが腕で受けた。
 「こっちの腕だけ、鱗のままなんですよ。だから大丈夫」
 ロイタスとルヴィア、この二人は半分以下だがドラゴンには変わりない。問題はセルヴェス。素手で剣を受けてしまった。
 ほとんど人間に近い彼はこの二人ほどの力はない。
 「すまない。お前たちはそれで暮らしているだろうが、私たちは目的があって旅をしている。だからもっと豊かな者から穏便に奪え」
 「はぁ? なんだとぅ!」
 「頼む」
 セルヴェスの眼を見た男は剣を納めてしまった。それは相手の背筋を凍らせるほど鋭い眼光を放つ眼。彼の眼力はドラゴンそのものだった。

 「痛い?」
 強盗団が去った後、僕はセルヴェスの傷の手当てをする。傷の治りは一応ドラゴンであるので早い。彼は中途半端にドラゴンの能力を残している。
 「まあ、大した痛みじゃない」
 彼らにとっての最大の痛みは、無理やり鱗をはがすことらしい。
 「人間は不便だ。剣で傷が付く」
 「はかないですね。それで死ぬということもあるなんて」
 「だから、懸命に生きるからいい」
 それが、彼らの解釈なのだろうか。
 ともかく、彼らとの旅はまだ続く。 
  


草うららか |MAIL

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