気まぐれ日記
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2006年06月11日(日) 特に予定がない、というか

 やりたいことはいっぱいある。
 だけど、やり切れず残す。
 まどっろこしいわ、なんか。

 明日からまた仕事だし。(朝早い)



 岡崎良介。彼には『魔』と呼ばれるものが憑いている。この『魔』は、「人間の原始的な本能」と呼ばれる魔であり、世界の全人類が「犠牲的、献身的な気持ち」にならなければ消滅しないという、「結局自分が一番かわいい」という気持ちの魔である。
 
 どうして、そんなのが憑いてしまったのか?

 それは、まあ、単純なことだった。
 あるときの部活活動。
 「今日は月一の恒例の交霊会。洒落じゃないよ」
 「先輩、そういうの月例っていうんですよ」
 と、いつもの調子で始まった。この交霊会で交霊した霊は今のところない。と、いうか部長である良介はない。なぜなら彼に霊感というのものが備わってなかった。
 一方の部員、二人とも中等部の女子、東可奈と高山貴乃。貴乃は由緒ある神社の娘で手伝いで巫女をしている。可奈の家柄は謎で暗い洋館に住み、魔女と噂されている。この二人には霊感が備わっているが、やることは部長任せで手は出さない。
 「部長が呼びたいと思っている霊は無理なのよ」
 「いくらなんでもねぇ」
 二人は理由は聞かないが、良介は「紫式部」だの「小野妹子」だのに会いたいといっている。
 「どうせ今日もその辺の自殺したサラリーマンとか」
 「野良猫の霊とか」
 に、決まっていた。更に本人に霊感はないのだ。実際来てもわからない。
 「そんじゃ、始めるよ」
 どこから調べてきたのかわからない円陣、どこから仕入れてきたのかわからない謎の粉、どこから拾ってきたのかわからない呪文。
 この二人が楽しみなのは一つ。この部長が今月は何を呼び出そうとしているか、なのだった。
 「おいでませ、光源氏」
 「部長、それフィクション」
 「なんでいつも平安なの?」
 二人のツッコミ。何も起こらない。当然である。しょせん、良介のやり方というか、根本的なものが間違っているのだ。
 「ふう、今月も失敗」
 貴乃はノートに日付と大きな×印をつける。
 「じゃあ、今日はこの近郊の廃墟の写真を……」
 「部長、今日はもう」
 「用事があります」
 「あ、そう。じゃあ、解散」
 と、毎月こんな感じなので三人とも気づかなかった。円陣の中央でなにか、ぽすんといった軽い音がしたのを。


草うららか |MAIL

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