気まぐれ日記
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なのに、今日出勤。社会人は大変なのはわかるけど、今の母上の仕事場が、ギリギリの人数でやってるのだ。早く人入れようよ。もともと人数少ない上に一人やめているんだから。その辛さはわかるのよ。(数年前は地獄だった)
突然、空間がこじ開けられた。 「遅れまして、すいません」 魔王だった。 「いろいろ緒事情がありまして……」 「ただの遅刻だろうが」 「とにかく、準備は出来ました。妖精主もお待ちです」 魔王はナルティカの前に立った。 「ナルティカさん、そういうことです。僕と来ていただけませんか」 「期待させるのは、よして。私を消しなさい。カルストラ、あなたならできるでしょ?」 「ええ、そうですよ。でもね、僕にはその権限はないんですよ。やれることをやりますので……オフィーリスさんも来てください」 ナルティカを強引に連れて行く。 「ああ、そうそう。リースリーズが来ます。二人とも、気を引き締めてください。彼女は人間から魔族になったんですから、あなたたちに勝てない相手じゃないです」 「がんばってね、樹理」 「母様も」 カルストラとオフィーリスがそこから去った。ナルティカを連れて。
残ったのは森の中。それも溶けるように消えて、また海に戻る。 「こんなところにいたの?」 リースリーズだった。 「ずっと気になっていたの。あなた、人間から魔族になったんでしょ? 私と同じく。どお? 私と一緒に行動しない?」 彼女はブロードを追っていた。そして、様子を見ていたのだった。 「悪いけど、俺はあんたみたいなおっかないのと一緒は、やだね」 「そう。残念ね。また、夢見せてあげる。そして、そこから醒めないようにしてあげる」 「おー怖。ジュリちゃん、来るよ」 「わかっている。ブロード、お前はよほど宝の持ち腐れだな。もう少し使うようにしろ」 「何? 使うって」 ブロードが一瞬でひらめく。 「さあ、夢の中へどうぞ」 彼女が見せるのは過去だった。過去の甘いひとときを夢としてみせる。しかし、ブロードも樹理もしっかり起きている。 「なぜ?」 「それは、お前が馬鹿なだけだ」 樹理が銃を突きつける。そして、撃った。 「リースリーズ。お前人間なのに、なぜ魔族となった?」 「さあ、よくわからない。ブロードもそうでしょ?」 「ああ、今は覚えていないな。記憶ないから」 冗談でなく、真顔で言った。 「どういうこと?」 「記憶操作のできる妖精もいるってことだよ」 「なんだ、それだけで私は消えちゃうんだ」 リースリーズはやんわりと笑った。もう、思い残すものはないように。 「アイナスターを、私が消していれば、お前を人間に戻せたんだが」 「いい、人間には戻りたくないもの……」 リースリーズが消滅する。完全に消えた。 「ジュリちゃん」 樹理が涙を流していた。 「気にするな。リースリーズの記憶が流れ込んできただけ。彼女が泣いているだけだ」
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