気まぐれ日記
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2006年01月27日(金) 母上が風邪引いた

 なのに、今日出勤。社会人は大変なのはわかるけど、今の母上の仕事場が、ギリギリの人数でやってるのだ。早く人入れようよ。もともと人数少ない上に一人やめているんだから。その辛さはわかるのよ。(数年前は地獄だった)


 
 突然、空間がこじ開けられた。
 「遅れまして、すいません」
 魔王だった。
 「いろいろ緒事情がありまして……」
 「ただの遅刻だろうが」
 「とにかく、準備は出来ました。妖精主もお待ちです」
 魔王はナルティカの前に立った。
 「ナルティカさん、そういうことです。僕と来ていただけませんか」
 「期待させるのは、よして。私を消しなさい。カルストラ、あなたならできるでしょ?」
 「ええ、そうですよ。でもね、僕にはその権限はないんですよ。やれることをやりますので……オフィーリスさんも来てください」
 ナルティカを強引に連れて行く。
 「ああ、そうそう。リースリーズが来ます。二人とも、気を引き締めてください。彼女は人間から魔族になったんですから、あなたたちに勝てない相手じゃないです」
 「がんばってね、樹理」
 「母様も」
 カルストラとオフィーリスがそこから去った。ナルティカを連れて。

 残ったのは森の中。それも溶けるように消えて、また海に戻る。
 「こんなところにいたの?」
 リースリーズだった。
 「ずっと気になっていたの。あなた、人間から魔族になったんでしょ? 私と同じく。どお? 私と一緒に行動しない?」
 彼女はブロードを追っていた。そして、様子を見ていたのだった。
 「悪いけど、俺はあんたみたいなおっかないのと一緒は、やだね」
 「そう。残念ね。また、夢見せてあげる。そして、そこから醒めないようにしてあげる」
 「おー怖。ジュリちゃん、来るよ」
 「わかっている。ブロード、お前はよほど宝の持ち腐れだな。もう少し使うようにしろ」
 「何? 使うって」
 ブロードが一瞬でひらめく。
 「さあ、夢の中へどうぞ」
 彼女が見せるのは過去だった。過去の甘いひとときを夢としてみせる。しかし、ブロードも樹理もしっかり起きている。
 「なぜ?」
 「それは、お前が馬鹿なだけだ」
 樹理が銃を突きつける。そして、撃った。
 「リースリーズ。お前人間なのに、なぜ魔族となった?」
 「さあ、よくわからない。ブロードもそうでしょ?」
 「ああ、今は覚えていないな。記憶ないから」
 冗談でなく、真顔で言った。
 「どういうこと?」
 「記憶操作のできる妖精もいるってことだよ」
 「なんだ、それだけで私は消えちゃうんだ」
 リースリーズはやんわりと笑った。もう、思い残すものはないように。
 「アイナスターを、私が消していれば、お前を人間に戻せたんだが」
 「いい、人間には戻りたくないもの……」
 リースリーズが消滅する。完全に消えた。
 「ジュリちゃん」
 樹理が涙を流していた。
 「気にするな。リースリーズの記憶が流れ込んできただけ。彼女が泣いているだけだ」


草うららか |MAIL

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