気まぐれ日記
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その昔『キノの旅』通販限定販売のCDが出ていたんですが、申し込み方法が、電撃HPの何号かにしか書かれていないがために諦めて数年。先日ブックオフで見つけた。……いいのか? (まあ、いいや)
フォーランズ到着まであと一日。婦人が殺されてから数日後、船内は平和だった。それでも、まだ乗客の半数は甲板に出られないでいた。船内は平和になりつつあるが、これで到着してしまったが最後、犯人は割り出せないだろう。 「結局、わからねえな」 「今となっちゃ、俺の鼻も利かねー」 スタウトは文字通り、あちこちをかぎまわったが結局、魔族を見つけ出すことはなかった。ひとつ、魔族の臭いを発する部屋があったが、即席で作った遺体安置所……婦人の遺体が置かれている場所だった。 「それだが、俺のように魔族と融合している場合だったら」 スタウトは、はっとしてロセウを見る。それから駆け出した。ロセウもその後を追う。 行き着いたのは、遺体安置所のドアの前だった。躊躇もなくスタウトはドアを開ける。 「おい、そろそろ起きたらどうだ?」 「あんたは、その女性を殺して、その身体を自分のものにしようとしたんだな」 遺体は、ゆっくりと起き上がった。もちろん、いい心地はしない。血で染まっている遺体が動いているのだ。 「よく、わかったな」 遺体がしゃべった。 「やっぱり、俺の鼻は正しかった」 「出来れば、間違っていると良かったんだけど」 「俺は不慮の事故で消えかけた。でもな、こいつの身体があってそこに逃げ込んだんだ。思いのほか、早く回復できた」 「で、あんたはそこから出られなくなったんだ」 「その通り。エルフって物知りなのか? だから、女の身体だが、乗っ取ったんだ」 「まさしく、お前のようだな。ロセウ」 「俺の場合は封印してるだろ」 ともかく、謎は解けた。謎といってもうすうす感づいていたが。
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