気まぐれ日記
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昨日今日と、眠すぎて職訓の授業どころじゃなかった。うつらうつらとしていて、ふと気づいたらよくわからないことになっていたり……。簿記は二月に検定試験があるのに! がんばらねば!
翌朝、被害は起きた。船員も乗客も騒いでいる。ロセウたちのほかに何人かのウォンテッダーが乗り合わせていた。さすがにウォンテッダーとなると冷静に対処する。被害を聞きつけたウォンテッダーたちはそれに対応する。 「人が殺された」 船員の一人がウォンテッダーに伝える。 「被害者は?」 と、ウォンテッダーの一人。 「この女性だが」 甲板で、血まみれで倒れていたそうだ。ロセウはその顔を見て驚く。昨日、占いを依頼した婦人だった。 「スタウト、この人だ。昨日占った人」 「魔族じゃなかったんだな」 スタウトがつぶやく。 「今朝、朝早くにはいなかったんです。その後、お客さんの一人がここに来たらこんな、ことに……」 「一体誰がこんなことを」 婦人は刃物で切り刻まれいる。この世の中、刃物など誰でも持っている。護身用に持つ者、仕事道具として持つ者、果物を切るために持つ者。スタウトは一生の友として持っている。(本人としては「連れている」)なので、誰が犯人なのかという特定は難しい。 「魔族かな?」 「魔族とも限らないだろ」 「だけど、臭うな」 スタウトは納得できずにいる。船医は死因を調べているが、皆、見た目どおりの死に方だと、思っている。 「スタウト、お前の勘が鈍ってんじゃないのか?」 「うん、なんか今日は自信ない」 結局、誰も犯人を割り出すことは出来なかった。船員が乗客全員の持ち物を検査したが、刃物は誰でも何かしらの理由で持っているしこの婦人についても、誰も知らなかった。ただ、昨日関わったロセウは少し長い時間とったが、ロセウについてもなんの接点がない。 その日の昼。ほとんどの人が個室に引っ込み看板に出る者は少なかった。気味が悪い。船員がブラシでこすって掃除したが、血の跡は生々しく残っている。 ロセウとスタウトは看板に出て、デッキに捕まって海を眺めていた。 「なあ、どう思う?」 「何が?」 「あの女の人を殺したヤツさ」 「うーん……」 「だよな。でも、あの女の人、やっぱり臭うんだ」
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