気まぐれ日記
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えーと、今話題の映画です。(地元ではいつまでだ?) やぎさんと狼さんがお友達になる話。 その出会いが、映画とか本家の絵本とかならわかりますが、漫画から入りました。空十雲さんの絵がめんこすぎる。なんとなく衝動買いしてしまったけれど、まあいいや。(行動全てを、まあいいやですます自分)
「とにかく、ここを大人しく乗り切るのであれば、俺たちは何もしない。見つからないように出るんだな」 「そんなわけ、ないじゃないか。この船に乗っているやつら全員、喰ってやるよ。俺は人間を糧にしているんでね」 スタウトが呆れたように言う。 「なあ、魔族ってほんとは人間が主食なんじゃねー?」 「ああ、聞くたびに人間が糧だといっている気がする」 「もっとさ、美食家の魔族っていないもんか?」 「さあ、な。でも大半の魔族は皆言うことがある」 「あ、知ってる。おい、お前、エルフは……」 『不味い』 魔族とロセウの声がハモった。 「じゃあ、そういうことで」 スタウトが刀を抜く。 「船はやりにくいからな」 ロセウがその刃に魔力を込めてやった。 とたんに、スタウトが魔族に切りかかった。しかし、魔族は笑みを浮かべて天上をすり抜けていった。 「何人かの人間でも喰うよ。お前らの相手はその後だ」 「待て!」 ロセウが声を上げる。そして、上の階の甲板から悲鳴が上がった。同時にスタウトが駆け出す。それにつられるようにロセウも駆け出した。 甲板はすでに誰もいない。危険を察知してかほとんどは逃げ出していた。おかげで、甲板への出入り口は逃げ惑う人でいっぱいになり二人は甲板に出づらい状態だった。 「何人、喰った?」 「三人くらいだ。子供二人と女だ。だから、まだ足りねえが……」 「うまかっただろ? 久しぶりだろうし」 と、スタウト。にやにやと笑う。 「だけど、そういうやつらを許せないのが俺たちウォンテッダーでね」 「アンタのように偉そうに人間を喰うヤツはむかつくんだ」 「なんだよ、お前らだって生きてるもんを喰うじゃねーか」 「ああ、そうだよ。ただな、こっそり喰って欲しいだけだ!」 「本当に、人間って、エゴイズムだな」 再びロセウがスタウトの刀の刃に魔力をこめる。 「スタウト、やれ」 「言われるまでもねー」
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