気まぐれ日記
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ビール入ってます、焼酎ちょっと入ってます、日本酒もちょっと入ってます。 そんな状態で、やります。こんくらいでは酔わないから。
婦人はカウンターの席に座った。ロセウもその隣に座る。ロセウが使うのは普通の占いカードである。アニムのような魔力を持ち合わせていないため、結局はめくったカードを読んで答えるしかない。だから、アニムよりさらにはったりである。 ロセウは、カードをカウンターに置き彼女に混ぜるように言う。そして、自分も混ぜて、カードを一枚一枚抜いていった。 「これは……積極的なアピールは控えてください。相手に気持ちを伝えるなら、手紙や贈り物がいいでしょう。それと……急ぎすぎないことです。あなたは今、離婚を考えているところですね」 「……わかりますか?」 「はい」 「あなたの言う通りです。ありがと、坊や」 「坊やじゃないです」 「あら、ごめんなさい。あなた、本当はいくつなの?」 「七、八十くらいです。エルフですから」 「そう」 彼女は、占い料を払って立ち上がった。
部屋に戻るなり、スタウトはロセウをにらみつけるように見た。しきりに鼻を動かす。 「お前のその反応を見ると、犬のようだな」 「悪かったな。本当に臭うんだよ」 「さっき、女の人を占ったからか? 香水とか?」 「香水ならわかるよ。でもな、お前からかすかに魔族の臭いがするんだよ」 スタウトは、魔族に対してだけ非常に鼻が利く。その魔族から一体どんな臭いを発しているのか本人にも説明できない。ただ、魔族が近くにいるとその臭いがするという。 「お前が、その臭いを発しているということは、その封印が解けかかっているか、魔族が近くにいたってことだ」 ロセウには、魔族が封印されている。そのことはスタウトも知っている。
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