気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
天候が思わしくないので、洗濯していたら時間が過ぎていった。ごめんなさい。本当は、万能携帯でまたちまちまと『広い世界へ』をぽちぽちと入力していたの。で、携帯に取り込んだら入れた覚えのない音が入っていたり。携帯の能力の限界なんですね、これ。 ……晩御飯、何にしようかな。
夜になると、泣き疲れ、不安に疲れた避難する人たちはそれぞれ眠りについている。見張りの兵士すら居眠りしている。 「さて、と行くか」 「そうだな。カティエリを探さないと」 大広間を出て、城を抜け出し外に出る。静けさが二人を襲う。 「結界のせいで音も通さないのか」 郊外に出ると焼け野原が広がっている。 「……酷いものだな。魔族とあまり変わらないことをする」 「ジュリちゃん、魔族はとりあえず糧を得るために酷いことをするんだよ。人間らは自分の陣地を守るためにそれをやる。全く、偉い奴らが考えることはわからねー」 「ふーん。ますます理解しがたい生き物だな」 「まあ、人間でも時々理解できねーよ」 焼け野原を歩く。カティエリの気配はあれど、姿は全く見当たらない。代わりに焚き火をしているのが見える。簡易なテントをいくつも張っていていくつかのグループに分かれて焚き火を囲っていた。 「あなたたち!」 近づくと、女騎士が駆け寄ってきた。 「あなたたち! 避難していなくちゃダメじゃない!」 「悪いけれど、急ぐのでな」 と、樹理。 「俺たちなら平気だから。お姉さんの邪魔もしねぇよ」 「そういう問題じゃないわ! ここは戦場よ」 「お姉さん、俺は自分の魔力を知っているから」 「……そう。よっぽど自信があるのね。なら、止めないわ。さよなら、旅人さん」 彼女は、あっさりと二人から離れた。 「呆れ怒ったのか」 「まあ、そんなとこだろうな」 小声で、二人はそう言うと歩き出す。 「妖精主の加護がありますように!」 女騎士は、二人の背中に向かって叫んだ。ブロードは振り向かずに片手を挙げた。 「森へは入っちゃダメよ。でもなるべく森に沿って歩きなさい!」 と、叫びは続く。 「なんだ? 怒っているのではないのか?」 「いや、怒ってるよ。ただ、優しいだけだ」
|