気まぐれ日記
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2005年12月10日(土) 洗濯

 天候が思わしくないので、洗濯していたら時間が過ぎていった。ごめんなさい。本当は、万能携帯でまたちまちまと『広い世界へ』をぽちぽちと入力していたの。で、携帯に取り込んだら入れた覚えのない音が入っていたり。携帯の能力の限界なんですね、これ。
 ……晩御飯、何にしようかな。


 夜になると、泣き疲れ、不安に疲れた避難する人たちはそれぞれ眠りについている。見張りの兵士すら居眠りしている。
 「さて、と行くか」
 「そうだな。カティエリを探さないと」
 大広間を出て、城を抜け出し外に出る。静けさが二人を襲う。
 「結界のせいで音も通さないのか」
 郊外に出ると焼け野原が広がっている。
 「……酷いものだな。魔族とあまり変わらないことをする」
 「ジュリちゃん、魔族はとりあえず糧を得るために酷いことをするんだよ。人間らは自分の陣地を守るためにそれをやる。全く、偉い奴らが考えることはわからねー」
 「ふーん。ますます理解しがたい生き物だな」
 「まあ、人間でも時々理解できねーよ」
 焼け野原を歩く。カティエリの気配はあれど、姿は全く見当たらない。代わりに焚き火をしているのが見える。簡易なテントをいくつも張っていていくつかのグループに分かれて焚き火を囲っていた。
 「あなたたち!」
 近づくと、女騎士が駆け寄ってきた。
 「あなたたち! 避難していなくちゃダメじゃない!」
 「悪いけれど、急ぐのでな」
 と、樹理。
 「俺たちなら平気だから。お姉さんの邪魔もしねぇよ」
 「そういう問題じゃないわ! ここは戦場よ」
 「お姉さん、俺は自分の魔力を知っているから」
 「……そう。よっぽど自信があるのね。なら、止めないわ。さよなら、旅人さん」
 彼女は、あっさりと二人から離れた。
 「呆れ怒ったのか」
 「まあ、そんなとこだろうな」
 小声で、二人はそう言うと歩き出す。
 「妖精主の加護がありますように!」
 女騎士は、二人の背中に向かって叫んだ。ブロードは振り向かずに片手を挙げた。
 「森へは入っちゃダメよ。でもなるべく森に沿って歩きなさい!」
 と、叫びは続く。
 「なんだ? 怒っているのではないのか?」
 「いや、怒ってるよ。ただ、優しいだけだ」  


草うららか |MAIL

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