気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2005年12月09日(金) 衝撃の一冊

 昨日、ぶらぶらとネットサーフィンしていたら、とある雑誌が眼に止まった。読みたいと思い、コンビニで購入。
 「かりあげクン・トリビュート増刊」作家30人による、『かりあげクン』。雑誌自らのアンソロジー『かりあげクン』。私としたら、植田まさし=おとぼけ課長なんですが、一般的には『かりあげクン』なんだろうな。意外だったのは(つーか、気づかなかった)、無表情メガネの同僚の鈴木(古川ということも)。いいな、こういうキャラ。

 いや、もう他の作家さん、すっきなよーにやってます。どっちかというと、絵柄にこだわらず、もっとすっきなよーにやってくれてもよかったかと。それも、難しいか……。
 

 「さ、あなたたちはここで避難してなさい」
 女騎士はブロードたちを城の大広間に通した。大広間は豪華さはなく、避難所として作りかえられ、彼らのほかにも避難している人たちがいる。
 「私は行かなきゃならないから」
 「ありがとうございます」
 と、ブロード。とりあえず、礼を言う。
 「いいのよ。これが役目だから。それよりも、あなたは惜しいわ。そんな魔力を持っているのに……。いえ、気にしないで。じゃあ」
 女騎士は大広間を出て行った。
 「避難される方、こちらへ」
 今度は兵士が話しかけてくる。
 「毛布と食料を配給しますので」
 「いや、俺たちは旅のもんだ。食料なら確保しているから」
 「そうですか。わかりました。では、毛布をどうぞ」
 毛布を受け取ると、あてがわれた場所に移動する。二人が横になれるくらいのスペースのじゅうたんがあった。とりあえず、そこに腰を下ろした。
 「あっさり承諾するところを見ると、食料、足りてないんだな」
 「長く戦をやっているようにも見える」
 「昔は戦続きだった。だから……」 
 「この大陸は魔力が発達した」
 「よくわかったね。ジュリちゃん」
 「さっきの女の者、お前と同じにおいがする。先祖か?」
 「ご名答。うちの家系だってすぐわかったぜ」
 
 子供の泣き声やそれを慰める母親、不安そうに寄り添う老夫婦。小声で話される内容を聞くと、彼らは結界の届かない郊外などで暮らしているらしい。その結果、作物などの世話も出来ず、このままでは完全な食料不足になる。この大広間には不安と不満が募っていた。
 「もう、いっそうイレグディントに平伏すればいいのに……」
 そんな呟きが聞こえる。遠くにいるとはいえ、兵士が大広間内にいるのに。兵士も聞こえているようだが動かず黙っている。 


草うららか |MAIL

My追加