気まぐれ日記
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2005年10月26日(水) |
どうしよう、この散らかりよう |
旅をした後は、いろんなものが散乱します。航空券とか入場券の半券とか、入った蕎麦屋のマッチとか(笑)。すべて、思い出として残したいんだけどね……。(無理)
確かにブロードはコーヒーが駄目ならカフェオレでも勧めてみようかと考えていた。 「読むときは一言断ってくれ」 「何故だ?」 「そりゃ、な。俺だって男だから……」 「そんなことは気にしてられん」 「じゃあ、早めにその能力、手放してくれ」 樹理は無視して村の喫茶店に入っていった。
喫茶店は、この村にもともとあるものではない。観光地となったこの村に商人たちが臨時で立てたものだ。なので、建物は嵐でも来た日には吹き飛ばされてしまうんではないかというくらい即席なものであり簡素なものだった。 「じゃあ、次。どこにする?」 ブロードは今度こそアイスコーヒーを飲んでいる。樹理はブロードが勧めたアイスカフェオレ。少し甘みを加えているので飲みやすくなっている。彼女が取り替えろなどとは言わなかったので、どうやら飲めるという範囲におさまっているらしい。 「誰にする、ではないのか?」 「だってさ、どれでも同じようなもんだぜ。それなら場所で選ぶさ」 「ならば、温泉があるところがいいな」 「温泉?」 「そうだ。温泉とはどういうものか、ちょっと考えてみろ」 「え?」 しばらくして、樹理がうめいた。 「お前、ずいぶん貧相なイメージだな」 「悪かったな。しばらく聞かないもんだったから、どんなものか忘れたよ」 ブロードがイメージしたのものは、地面から湯が出ているというものだった。それも、幼い子供が描いた絵のようなイメージ。 「じゃあ、温泉があるところは……」 バンデン王国。多くのドラゴンたちが住まうという国だった。 「よし、ここだな。多分あるはずだ」 「多分?」 「山地だし、あるだろ」 「まあ、よい。そこに行こう」 そんな軽い感じで二人は次の行き先を決めた。そして、後悔することになる。
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