気まぐれ日記
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職業訓練、明日から。学生に戻ったみたいでちょっと楽しみ。 この間の学校バトンはなかなか書くことがあって楽しかった。(思い出自体はなんか暗いことばっかなようだったけど)ちなみに骨折した友人は今でも仲良し。(遠くにいるのでなかなか会えないのだけど)
残されたただの石版は、やはりそのままだった。 「これはどうする?」 「ほうっておこ。どうせ、どうにもならないし」 ただ、翌朝村人たちがどんな反応するのか興味があり、彼らは朝まで待った。 「や、こ、これは!」 「も、文字らしきものが消えてる!」 反応はありきたりだったが、観光地としては生き残った。文字が一晩にして消えたミステリースポットとして。 「どうせ、何年かしたら飽きるだろ」 「そうだな」 ブロードと樹理は村に入った。樹理が何か飲みたいと言い出したのだ。ブロードは、首をかしげながらもついていった。 「よう、お二人さん? あれ、その子は昨日の娘さんの妹か何かですか?」 昨日、ブロードに宿を勧めていた商人だった。彼は最初思い出せなかったが、テントを見て思い出した。 「ああ、そんなもんだ。まだここで商売やってんの?」 「もう少しな。あの石版の文字もなくなってただの石版になっちまったんだ。最初のうちは人が来るだろうからな」 「まあ、誰もがそう考えるよな」 「それよりも、兄ちゃん。アンタ、そっちの方の趣味か?」 「はあ?」 樹理が無言で商人の男を蹴り倒した。黒いスカートがふわりとひるがえる。威力としては、大の男が地面にひっくり返るくらいだった。 「……どうしたんだ? ジュリちゃん」 突然のことでブロードが驚く。魔族になると大抵のことでは驚くことはなくなったが、今のは口がぽかんと開いてしまった。 「ふん。見物料とやらのことがわかった」 「え?」 「あのジェークの能力が私についたのだ。まあ、あの古代文とやらの魔法を使ってしまったら消えると思うが。ただ、奴とは違って私が使うとなると少し集中力がいる」 「じゃあ、ジュリちゃん。俺の考えてることも……」 「無論。しかし、お前の考えていることをいちいち聞いてられん。あの商人が言っていたことも知りたかったのだが……下世話なことだったな」 「……」 「では、ブロード。行こうか?」 樹理は喫茶店を指す。もう、ここには用はないはずだった。 「何で?」 「お前が、今一瞬考えたカフェオレとやらが飲んでみたいんだ」
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