気まぐれ日記
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昨日の夕食、今日の昼、今日の夕飯にて食。何故かと言うと、一度に冷凍している量が多いから。こんなことになるなら、衣つけなきゃよかった。
樹理がブロードをじっと見ている。そして、彼女もリンゴにかじりついた。彼は気にせずリンゴを平らげた。 「ここは残すのか?」 「まあ、食べられないことはないけど」 公園にあったゴミ入れに芯を放り投げる。樹理はまだ食べ終わっていないのでそれを横目で見ていた。 「そんなことより、あんなものってなんだろうな」 それがある場所を聞いておいたので、そこへ行くことにする。ただ、その場所がここから遠いらしい。島の真ん中に位置するスイカ畑だそうだ。 「すいか?」 「作物だよ。もしかしてジュリちゃん、人間界についてあんま詳しくないのか?」 「お前よりはな」 樹理が怒ったようにいう。少し悔しいようだった。 その場所へ行くには、徒歩しかない。そして、まる二日はかかるらしい。 「私たちは魔族だしな」 「そうだった」 なので、その場所までは一瞬だった。着いた場所は簡素な村だった。建っている家も少ない。しかし、今は行商人がテントを張って簡易宿を経営しているくらい人が多かった。 「おんや、お客さん? もしかして恋人同士?」 そんな村に入ると一人の行商人が話しかけてきた。 「いや……」 と、ブロードが言いかけて、 「そんなわけないだろ」 と、樹理がきっぱりと言い放つ。 「またまた、いい宿がありますよ。ちょうど二人が親密になるくらいの広さのテントが」 「そんだけ狭いってことだろ。あと、見学料いくらとる気だ?」 「見学料?」 「……お客さん。その道に詳しいのかい?」 「んな、くだらない商売考えるのはおっさんたちくらいだからな。ところで、例のものってどこにあるんだ?」 「ああ、それならこの村から出てまっすぐ行ったところにあるよ。今、人だかりができてるからすぐわかるだろ。まあ、気が向いたら泊まっていってくれよ。サービスするから」 「へいへい。さ、行こ。ジュリちゃん」 ブロードは言われたとおり村を出てまっすぐと進む。 「なあ、ブロード」 「ん?」 「さっき行っていた見学料とは、なんのことだ?」 「ああ、それは大人になったらわかることだよ」 「私はもう十分に大人だと思うが?」 「俺に聞かなくてもわかるようになったら大人だな。品のないことだし知らねー方がいい」 「ふーん。人間はそうやってごまかすのか」 「そうとってもかまわねーよ」 ブロードは、面白くなさそうに言った。行商人の言うように、スイカ畑の真ん中に人だかりができている。人が壁を作り例の物は見えなかった。
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