気まぐれ日記
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伯母たちと母上で飲みに行った。しかし、雨降りなため話し合いの結果、車で行くことになった。もちろん、帰りに運転するのは私。よって、今でもノンアルコール状態。そのため、今日の日記もまともに書かなくてはならないことに。書いたら飲むつもりです。(そのかわり、食ったし)
人をかき分けてそれを見る。それは畑に刺さっていた。生えていたと表現してもいいかもしれない。人の二倍ほどの背丈がある石版だった。周りのスイカの茎や葉は石版を避けるようにしていた。ただ人が集まるところは踏みつくされていた。 石版には文字が書かれていた。 「これは……」 ブロードはその文字をじっと見つめた。そして、ぶつぶつとつぶやき時折、思い出すように視線をそらす。 「わかるのか?」 「うん、それよりここから離れよう」 ブロードと樹理はまた人をかき分けて輪から脱出した。そして、村に戻る。しかし、村には喫茶店はなく、食堂もあの石版を見に来る観光客でいっぱいだった。 「港町に戻るか」 「いや、面倒だろ」 ブロードの提案を下げて、樹理は地面を指差した。しかし彼はさすがにそんなところに座って話をする気がない。手ごろな座れる岩を探して、村の外れにある岩に腰掛けた。 「また、あの苦いジュースは飲みたくないのでな」 と、樹理は言った。 「アイスコーヒーもジュースも駄目なんだ」 「あれは苦すぎる。そんなことより、あの石にはなんと書いてあったのだ?」 「ああ、あれは古代文だからな。俺も半分くらいしか読めなかったけど。ちょっと待ってろよ」 ブロードは頭の中で古代文をまとめた。木の枝を見つけて地面に言葉を書いていく。久しぶりにその文字を見て、解読するのに時間がかかった。 やがて、木の枝を放り投げた。 「大体だな『近く、このあたりに災いが起こるだろう。しかしながらこの文字を読むものはいるまい。その魂、われが貰い受けよう』ってな感じ。魔族の宣戦布告だな」 「半分しか読めないのに、全文解読したではないか?」 「ああ、まあ。冒頭がわかれば、あとはなんとなくこうだろうと、勝手に解釈したんだ」 「ようするに、適当なのだな」 「うん。でも、間違ってはないと思うんだけどね」 オフィーリスからもらったメモを開く。そこには『親切な魔族』と題された魔族のことが書かれてあった。
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