気まぐれ日記
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ハッピーマンデーだかという職業によっては余計な企画(無駄に連休作られても困る職業の方はいるはず)により、毎年の体育の日はズレにズレて、今年は元に戻った。 今はそんなことどうでもいいけど。
夜。ブロードと樹理は城の前に隠れていた。 城の付近に見回りの兵士が一人。しかし、それは魔族にとってどうとでもなる。 そこに、銀の髪をした女が歩いてきた。魔族なら、壁を抜け空を舞い、人間の兵士など気にせずに行きたいところへ行くだろう。だが、このように彼女がそこに現れたということは、ちょっかいを掛けたいからだ。 「ご婦人、夜の一人歩きは危険ですよ」 と、兵士の一人。彼女はその態度がおかしいのか笑う。 「ごめんなさい。でも、ここを通して欲しいの」 そして、兵士が崩れるように倒れた。 「うん、大した血じゃないわね」 「メイシス!」 「いや、ジュリちゃん。メイシルだ!」 ブロードと樹理はメイシルの前に現れた。 「あらあら、姉さんの手の方? 隠れていたのはわかっていたけど」 「ブロード、気をつけてやれ。奴は手強い」 「そんなわけねーだろ。最初の仕事ってのは簡単なものなんだよ」 「ちょっと、何それ? 私が弱いってこと?」 「違うよ。最初の方はちょっとラッキーだってこと」 ブロードは樹理に下がるように手を振った。兵士を見る。血の気がなく青い顔で倒れている。オフィーリスが始末するように頼むと言うことは、すでに死んでいるのかもしれない。 「あなたには、幸運の女神でもついているのかしら?」 「はあ? 何言ってんの? この世の運命はあのヤローが握ってんだろう。俺には、ちょっとした妖精がついていてくれてるだけだよ」 ブロードが、エーデルの名を呼んだ。するとすぐに白い妖魔が現れる。 「きゃー、ブロード、久しぶりー。元気にしてたー?」 妖魔は妖精の内に入り、妖精はたまに気に入った人間を主人にすることがある。エーデルはブロードのことが気に入った雪の妖魔である。 「あなた、魔族よね?」 「そうだけど」 「なんで、妖精が……」 「結構知らないと思うけど、人間以外のものにもついてきてくれるみたいだよ」
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