気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2005年10月10日(月) 体育の日

 ハッピーマンデーだかという職業によっては余計な企画(無駄に連休作られても困る職業の方はいるはず)により、毎年の体育の日はズレにズレて、今年は元に戻った。
 今はそんなことどうでもいいけど。

 
 夜。ブロードと樹理は城の前に隠れていた。
 城の付近に見回りの兵士が一人。しかし、それは魔族にとってどうとでもなる。
 そこに、銀の髪をした女が歩いてきた。魔族なら、壁を抜け空を舞い、人間の兵士など気にせずに行きたいところへ行くだろう。だが、このように彼女がそこに現れたということは、ちょっかいを掛けたいからだ。
 「ご婦人、夜の一人歩きは危険ですよ」
 と、兵士の一人。彼女はその態度がおかしいのか笑う。
 「ごめんなさい。でも、ここを通して欲しいの」
 そして、兵士が崩れるように倒れた。
 「うん、大した血じゃないわね」
 「メイシス!」
 「いや、ジュリちゃん。メイシルだ!」
 ブロードと樹理はメイシルの前に現れた。
 「あらあら、姉さんの手の方? 隠れていたのはわかっていたけど」
 「ブロード、気をつけてやれ。奴は手強い」
 「そんなわけねーだろ。最初の仕事ってのは簡単なものなんだよ」
 「ちょっと、何それ? 私が弱いってこと?」
 「違うよ。最初の方はちょっとラッキーだってこと」
 ブロードは樹理に下がるように手を振った。兵士を見る。血の気がなく青い顔で倒れている。オフィーリスが始末するように頼むと言うことは、すでに死んでいるのかもしれない。
 「あなたには、幸運の女神でもついているのかしら?」
 「はあ? 何言ってんの? この世の運命はあのヤローが握ってんだろう。俺には、ちょっとした妖精がついていてくれてるだけだよ」
 ブロードが、エーデルの名を呼んだ。するとすぐに白い妖魔が現れる。
 「きゃー、ブロード、久しぶりー。元気にしてたー?」
 妖魔は妖精の内に入り、妖精はたまに気に入った人間を主人にすることがある。エーデルはブロードのことが気に入った雪の妖魔である。
 「あなた、魔族よね?」
 「そうだけど」
 「なんで、妖精が……」
 「結構知らないと思うけど、人間以外のものにもついてきてくれるみたいだよ」


草うららか |MAIL

My追加