気まぐれ日記
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2005年10月01日(土) やられたぁ! (ぐえっ)

 何にやられたって『クレしん』の映画にですよ。
 話題だということで以前から見たかったけど、見る機会がなく、今日たまたま放映することを新聞で知ってみたんですよ。
 その結果……やられたぁ!
 『クレしん』はもともとは大人が読む漫画なんだけど、アニメになってからは子供のものばかりだと……っていうか、映画は(ときどき)なぜこうも大人向きなんだ?(いろんな意味で)
 なんか、こう見ていると痛いところを突きつけられるような……。(大人は特に)

 今日はちょうど月初めなんで、新しいのやっちゃいますか?
 結局、書きたい方をやりますわ。


 なぜ、起こされなければならない? ふて寝しているだって? 何が悪い。あの魔王なんざ、いつもふて寝腐れているだろうに……。

 ブロードは肩をゆすられている。
 「起きるのだ。目を覚ませ」
 その声は、小さな子供の声だ。しかし、言葉は子供のものではない。昔、そんなような言葉を使うエルフがいたが、そのエルフのものではない。
 「いい加減、目を覚ませ」
 彼はとろとろと目を開けた。黒いものが目に飛び込む。
 長い緩やかなウェーヴがかかった髪も、服もスカートも、靴下、靴も、そして、彼を見つめるきついの眼も黒かった。手など部分的に出ている肌は白かったが。とにかく、頭のてっぺんから足のつま先まで黒かった。そして、少女だった。
 「お嬢ちゃん、どちら様?」
 「お前に仕事を申し付けに来た。ここではなんだから、一度家に帰ろう」
 「……あの、もう少し説明をくれ」
 「私は、樹理。母様に頼まれてお前と一緒に魔族狩りをすることになった」
 母様? 魔族狩り?
 ブロードはますますわけがわからなくなった。
 「じゃあ、別に俺じゃなくてもいいわけだ」
 「駄目だ。母様がお前を指名している」
 「誰だよ、母様って?」
 「いいから来い。まずはお前を風呂に入れる。話はそれからだ」
 樹理と名乗った少女はブロードの腕を引いた。枯葉が舞う。そこは、山の中の森の中でちょうど紅葉の季節だった。土だらけで葉っぱまみれの彼を少女は戸惑うことなく引っ張った。
 「わ、わかったから。離してくれ、ジュリちゃん」
 腕を離すと、彼は自分で立ち上がった。手で取れる葉っぱを取って軽く体中をはたいた。
 「しっかし、よく俺を見つけられたな」
 「苦労した。おかげで魔力をずいぶん使った」
 「魔力がいるんだ」
 「おまけにお前は魔力不足で半分消えかかっていたから分けてやった」
 「ああ、それいつものこと」
 眠ったまま自分が消滅するのであればそれはそれでいいと、彼は思っている。しかし、いつもどういうわけか邪魔が入る。
 「じゃ、行くぞ」
 樹理が片手をあげる。移動魔法の準備だ。もう片方の手はブロードの手をがっちりと掴んでいた。

 
 
  


草うららか |MAIL

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