気まぐれ日記
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どうやら今夜にも来そうな(というか、もう来ている)台風14号。去年は珍しく台風に泣かされたけど、今回はどうだろう?
えーと『かなり気まぐれ日記』更新しました。よかったら、どうぞ。
美幸が夏目を訪れたのは、退院して一週間後だった。 「夏目さん、大丈夫ですか?」 美幸は、夏目が入院中に電話したが通じず、部屋を訪れてもいなかったことから井上に連絡した。そうしたら入院していることが判明して慌てて病院に駆け込んできた。もちろん、見舞いというかたちで夏目に会い、胸をなでおろした。それからは、彼女も忙しくしていて結局今日、顔をあわせることになった。 「ええ」 「顔色、あまりよくないですよ、無理はしないでくださいねぇ」 美幸は夏目と打ち合わせ。 「へえ、終わらせちゃうんですか?」 新しい話を書いて、もう少し続くかと思っていた彼女は意外に思いながらもそれを受け取った。 「うん、ちょっと思いなおしてね」 「夏目さんにもそういうことがあるんですね」 「……どういうこと?」 「だって、今まで長く書きたいからってシリーズ物でも、上下にしたりして長引かせていたじゃないですか。短くまとめるって珍しいなって」 「そうだね。自分でも不思議だよ」 その後も打ち合わせをする。夏目がアイスコーヒーを用意して、セリナは覚えたばかりという、クッキーを作って焦がした。 「ごめんなさい」 セリナは一応焦げたクッキーを皿に盛って差し出した。 「なんとか、食べれそうよ。セリナちゃん」 「大丈夫。炭になっているところは削るから」 セリナが作ったクッキーはお世辞にも上手いとはいえなかったが、それでもクッキーの味はした。
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