気まぐれ日記
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に行くことになった。はっきり申すと、地元の好きじゃない。 理由は……。でも、久しぶりに眺めるのも良いと思ったので。
セリナが子供たちの添い寝をして、はしゃいでいた子供が寝静まると井上はセリナに充電するように言った。 「セリナ、動物園の場所はわかるのかい」 充電用の器具をつけ、プラグを差し込む。普通の電化製品とあまり変わらない。 「ええ、十真様に連れて行ってもらってます」 「夏目さん、動物が好きだからね」 「だから、何度も連れて行ってもらってます」 「そうか、よかったねセリナ」 「はい、私は幸せです」 ドールはパートナーだ。主人といることがドールの幸せである。ささやかだが、確実的な幸せをセリナはもらっている。相手が夏目で、本当に良かったと井上は思っている。 「十真様は、よくお猿さんを眺めているんですよ。一匹一匹の様子を眺めていると人間と同じだって言って」 「へえ……」 「私も見ていると楽しいです。だから、明日行くのが楽しみです」 井上もつられて行こうかとも思ったが、外せない仕事がある。 「セリナ、子供たちをよろしく頼むよ」 「はい」
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