気まぐれ日記
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2005年08月11日(木) 今日で締める!

 だから、もう、終わらせたいのよ。こんな十七人も書ききれるわけ無いでしょ? だから、もうちゃっちゃと終わらせたる。
 そういうわけで、女たちの対談。

 ファミレスにて。
 「いやー、今回の旅行は楽しかったわ」
 と、秋季がチョコパフェを一つ平らげた。中野家の血は彼女たちにも健在である。
 「そうそう、山川のやつが腹壊して当日欠席なんて馬鹿にもほどがあるわ。おかげで柘植君がツアーを進めることになったけど……」
 夏季は、フルーツパフェデラックスバージョンを半分ほど食べている。
 「でも、その方がよかったわよ。山川が来たところで話は進まないし」
 綾名はクリームスパゲッティを軽く平らげた。次は何を食べようかとメニューを開いている。運動系はおなかが空くと言い訳しながら。
 「もう、私は幸せ。だって、一日自分で野田君をストーカーできたもの」
 厚切りのステーキをフォークでつつき、貴乃は幸せそうな顔をしている。ステーキだけの笑みではない。彼女は甘いものが嫌いなので、いつもステーキや鉄火丼などを注文している。
 「私も……」
 可奈はブラックコーヒーを飲んでいる。砂糖、ミルクはない。
 「でも、田中先輩が……」
 「あー、可奈ちゃん? 恋には障害がつきものだから、玲子先輩を呪っちゃだめよ」
 「そうそう、どうせ玲子先輩のことだからすぐに飽きるわ」
 双子がフォローをいれ、その場をやり過ごす。
 「でもさ、まさかと思っていたけどやっぱり出たわね」
 「出ないほうが変よ」
 「もう、あの場に可奈ちゃんや貴乃ちゃんがいなかったら、きっとあたしたち、霊に取り付かれていたわ」
 「千太朗と黒岩先生は逃げ回っていたし、上田先生は見えるくせにのんきに見物していたし、良介は笑っているし、春季先輩は秀介先輩に抱きつくし……」
 パキン!
 可奈が使っていたコーヒーカップが割れた。きれいに半分に……。
 「ほら、秀介先輩は、ホモじゃないから」
 「そうそう、うちの兄貴なんざ蹴落とすに決まってるじゃない!」
 再び双子がフォロー。なんとかその場を収めた。
 「でも、意外だったのは斉藤先輩ですね。結構かっこいいじゃない」
 「そうねえ、斉藤君は熱血漢だから。女子を守るって聞かなかったのよ。無駄だって言っても根性が許さないって」
 「でも、あの身長と顔で高校生よ」
 「そうなのよね」
 「それにしても、柘植君。落ち着いていたわね」
 「そうそう、変人(自分のことは含んでいない)ばかりのところに良く笑っていたわ」
 「案外、大人物かも」
 「違うわ。彼は、なれているだけ」
 「可奈ちゃんが、そういうならそうだろうけど。ちょっと怖い」
 「それと、冬季が知り合いっていうのも初めて聞いたわ」
 「ああ、あいつね、なんか探偵にあこがれてるのよ。だからじゃない?」
 「ええ? あいつが……笑いを通り越してむなしいわね」
 「とにかく、山川は出てこなくて正解だったわね」
 「そうね」
 「腹壊して正解」
 「おい、ちょっと待てい」
 山川が、五人座っているテーブルの前にいた。
 「あれ、山川君何してんの? バイト?」
 「そうだ」
 「へえ、大変だね」
 「ああ、お前らが徐霊とか言って、障子やふすまや畳に穴開けてくれたおかげで弁償したからな。おかげで、向こう一年分のこずかいがパー。全くどうしてくれるんだ……」
 「山川、ご馳走様ー」
 「ごちになるねー」
 「ごっそー様」
 「先輩、ありがとうございます」
 「人のおごりのコーヒーはインスタントでもおいしいです」
 山川に伝票を押し付けて、五人はファミレスを出て行った。
 「おめえら、覚えてろよ!」

             おわり  またのお越しをお待ちしてます。


草うららか |MAIL

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