気まぐれ日記
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2005年08月10日(水) |
なんか、だんだん締まりがなくなってきた |
いい加減、終わらせよう。 でも、これ、終わるのか?
ミーティングの日。総勢十七名は、体育館に集まった。この時期の体育館は、やたら熱がこもって蒸し暑い。 「誰だ、ここに集まれって言ったのは……」 と、千太朗。彼は学校一の不良だが、あいにく変人だらけの田学では存在が埋もれてしまう。 「おい、山川ー! 馬鹿やんのも大概にしろよ! さっさとプリント配って終わらせろ!」 直行が叫ぶ。「なおゆき」と読むが、「ちょっこう」と読まれるほど彼はストレートな性格である。ただ、身長の低さと子供っぽい顔つきでその威力が半減しているのが可哀相。 「えー、では、ミーティングをします。まずは、ミス研夏休み特別企画・ミステリーツアーのご参加、ありがとうございます」 「後輩を脅したんだろ」 と、誰かがツッこむ。 「明日がいよいよ出発です。明日八時に駅前に集合。三泊四日を予定……」 「四日も付き合ってられん。二泊三日にしなさい」 と、上田。 「先生……」 「先生だって都合があるんだ」 「わかりました。二泊三日の予定で」 「そう簡単に取り消しできんの?」 と、夏季か秋季。 「あとの詳しいことはプリントにかかれてます」 この蒸し暑さで、全員は極限状態に達している。なので、結局ミーティングは山川が少し話しただけでプリント配ってお開きになった。
「でも、楽しみだなあ」 体育館から開放された後、冬季はつぶやいた。 「なんで?」 いつもつるんでいる晴仁が聞いた。自販で缶茶を買って飲んでいる。 「ほら、うちの家系、大食いだから旅行とか行ったら赤字覚悟なんだよ。借金まで作って行かねえだろ、普通。だけど、兄ちゃんも姉ちゃんたちも一緒に行く旅行なんて初めてだからさ」 「へえ。そいうや、俺も久しぶりに従兄弟に会った」 「いとこ? ああ、河上先輩のことか。同じ学校に居るくせに」 「だって、あんましゃべんないからどこにいるのか、わからないし」 「俺なんて、兄ちゃんや姉ちゃんの居る場所、離れていたって嫌っていうほどわかるぜ」 「だろうね」 空になった缶をゴミ入れに投げ入れて、彼らは学院をあとにした。
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