気まぐれ日記
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は、本当にあるらしい。(アクセス先でわかった) 本物の田中学院様、大変申し訳ありません。この話は、全くのフィクションでございますから……。(フィクションでなかったらなんだ?)
夏季、秋季。そして、高等部全部。 田中学院の高等部は、本当に色濃いメンバーがそろっている。 「そういうわけで、お願いします」 新聞部の部室で原稿を書いていた二人は、洋の申し出に条件をだした。 「かわいい後輩のため、参加してあげたいのはやまやまだけど」 「只ってわけにはいかないんだよね」 洋には、どっちが夏季でどっちが秋季なのかはわからなかったが、求められるものはわかった。 「あたしたちが、新聞部だってわかっているなら」 「ネタちょうだい。アンタ、探偵事務所の息子でしょ?」 「誰の?」 二人は声を潜めた。 「トンデン軒の店主、屯田麺造のよ」 「なんだって! あのラーメン屋の……」 「そう、田学の生徒をすべて把握する謎の店主」 「一説には、中国マフィアの一員だとか……」 「わかりました。父に頼んでみます」 「うそ、本当にいいの?」 「アンタ、結構やるじゃん。うちの兄貴もリスト載ってんでしょ? あの山川のことだから」 「話、つけてもいいわよ」 「ほんとですか?」 「ええ」 こうして、中野四兄弟はコンプリートした。お次は……岡崎三兄弟。 「岡崎君なら部室に居ると思うわよ」 「がんばってねぇ」 オカ研、部室。このくそ暑い中、窓すべてを黒カーテンで締め切っている。洋は恐る恐る戸をノックした。 がららッ! 戸が開く。中から涼しい、いや冷たい空気が流れてくる。 「あら、あなたは柘植先輩ですね」 中等部二年の高山貴乃だった。神社の娘である。 「何か、御用ですか?」 「実は、頼みがありまして」 「誰に?」 「この部の人、三人」 「では、この中にどうぞ」 今は夏休み中。さらに、暑いはずだ。なのに、この中は涼しい。クーラーなど何もない。 「へえ、君が家が探偵事務所をしている柘植君か」 少なくとも、岡崎良介はおとなしい人物に見えた。しかし、その横には、貴乃と東可奈がいる。可奈は田学で恐れられる人物として有名である。この学院の校則に『彼女を怒らせるな』というのがないのが不思議なくらい。 「で、何用?」 「あの、実は……」 洋は、山川が主催するツアーの話を短く丁寧に伝えた。 「山川がねえ。いいよ、秀兄は暇だろうし、優兄さんはお盆休みだし。えーと、どーせ貴乃ちゃんと可奈ちゃんも入ってんだろ。二人は?」 「……あの、野田君はリストに入ってますか?」 貴乃が小さな声で洋に聞く。 「あ、ええ。冬季君がつれてきます」 「じゃあ、参加でお願いします」 「部長のお兄さんがいらっしゃるのであれば、私も」 嘘のように三人はOKを下した。 こうして、岡崎三兄弟もクリアした。
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