気まぐれ日記
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結局、八月も辞められずに……。うっ、頭痛が!(嘘)
少しの間、ダノとタジュトは家に帰り、シルアとオードは宿屋で休むことになった。 ややして、祭の準備が出来たと町の人が教えに来た。 「すっげーうまいもん作ったからよ、早く来いよ!」 「わあい、お兄ちゃん、早く行こう!」 本人たちを差し置いて、すでに馬鹿騒ぎは始まっていた。町の人々は大いに笑い、はしゃいでいる。 「ダノさん!」 塔の前で彼を呼んだのは美人だった。ミレイユだった。 「ミレイユ!」 「ダノさんが塔を制覇したって聞いたから、駆けつけちゃった。でも、どうやら誤報のようね」 彼女はそう笑ってから、沈んだ声で続ける。 「私、あれからジャンヌのことを思っていたけど……やっぱり私が悪かった。もうどうやって償えばいいのかわかんなくて」 「ミレイユはみんなのためにやったんだもの。ジャンヌだってきっとわかってくれていたわ」 「そう、思っていていいのかしら」 「いいに決まってるじゃない」 「ジャンヌ……」 「さ、なんかうまいものでも食って、元気だしなよ」 ダノは受け取った皿に塔の前に並べられた料理を盛った。タジュトはすでに食べている。オードも酒を飲み、シルアが誰かと話している。 「ああ、ダノさん。今晩は!」 「さやかちゃん! 君もここに来たのかい」 「うん。ダノさんが真の塔を開放したっていうから来たの。ねえ、新しい世界へ行っても負けちゃダメだよ」 「ああ、もちろん。何があったって負けねえぜ」 「それでこそ、兄貴だぜ!」 オードが腕を肩に回してくる。 「やめれって、苦し……」 「さやかさん、誰に聞いたの?」 「何をですか?」 「私たちが塔を開放したこと」 「ええ、皆が話していたんですよ。皆知っている噂だよ」 「そう、噂ね……」 それにしては、早すぎじゃないかしら……彼女はその言葉を飲み込んだ。
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