気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2005年07月26日(火) 逃れませんでした。

 結局、八月も辞められずに……。うっ、頭痛が!(嘘)


 少しの間、ダノとタジュトは家に帰り、シルアとオードは宿屋で休むことになった。
 ややして、祭の準備が出来たと町の人が教えに来た。
 「すっげーうまいもん作ったからよ、早く来いよ!」
 「わあい、お兄ちゃん、早く行こう!」
 本人たちを差し置いて、すでに馬鹿騒ぎは始まっていた。町の人々は大いに笑い、はしゃいでいる。
 「ダノさん!」
 塔の前で彼を呼んだのは美人だった。ミレイユだった。
 「ミレイユ!」
 「ダノさんが塔を制覇したって聞いたから、駆けつけちゃった。でも、どうやら誤報のようね」
 彼女はそう笑ってから、沈んだ声で続ける。
 「私、あれからジャンヌのことを思っていたけど……やっぱり私が悪かった。もうどうやって償えばいいのかわかんなくて」
 「ミレイユはみんなのためにやったんだもの。ジャンヌだってきっとわかってくれていたわ」
 「そう、思っていていいのかしら」
 「いいに決まってるじゃない」
 「ジャンヌ……」
 「さ、なんかうまいものでも食って、元気だしなよ」
 ダノは受け取った皿に塔の前に並べられた料理を盛った。タジュトはすでに食べている。オードも酒を飲み、シルアが誰かと話している。
 「ああ、ダノさん。今晩は!」
 「さやかちゃん! 君もここに来たのかい」
 「うん。ダノさんが真の塔を開放したっていうから来たの。ねえ、新しい世界へ行っても負けちゃダメだよ」
 「ああ、もちろん。何があったって負けねえぜ」
 「それでこそ、兄貴だぜ!」
 オードが腕を肩に回してくる。
 「やめれって、苦し……」
 「さやかさん、誰に聞いたの?」
 「何をですか?」
 「私たちが塔を開放したこと」
 「ええ、皆が話していたんですよ。皆知っている噂だよ」
 「そう、噂ね……」
 それにしては、早すぎじゃないかしら……彼女はその言葉を飲み込んだ。


草うららか |MAIL

My追加