気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2005年07月15日(金) 無事、焼き終了

 母上のパソコン使って。ネットにつながってないのでタイトルなどは出ないけど、すんなりやってくれました。京都の友人に贈ってやります。(偉そう)

 
 シンジュクのビルは北西の荒野の真ん中に建っていた。周りに何もないせいか大きく目立っている。
 「入るぞ」
 ビル内は電灯がついているところと、ついていないところがある。
 「お兄ちゃん、このエレベータ使える」
 エレベータが稼動している。ボタンを押すとゆっくり動きだしドアが開いた。
 「明らかに、罠ね」
 と、シルアが眉をひそめる。
 「でもよ、さやかがその先にいるってことだぜ」
 オードが笑う。だから、エレベータに乗り込んだ。二階のフロアは迷路のようになっていたが、シルアのおかげで迷わずにすむ。
 「どういう建物だったんだろう?」
 「さあな」
 「朱雀がそう作り変えたのかもしれない」
 またエレベータがあり、それに乗って三階に。今度はドアばかりが並ぶフロアだった。そのため手分けしてドアを確かめる。ドアを開けてもその先が壁だったりした。また、何もない部屋だったりする。やっと通路を見つけて進む。通路の先のドアを出ると、ガラスの散らばったフロアに出る。そこからまたエレベータに乗り、今度は下がった。
 「今度は、二階だよな」
 その二階のフロアは先ほどの二階ではない。電灯が消え、窓もなく真っ暗だった。手探りで進まなければならない。やっと見つけたと思ったら、何もない部屋であったりした。そして、またエレベータ。今度も下がる。
 「一階だな」
 一階といっても出入り口はない。さらにエレベータに乗り、更に下がり、地下一階。大きな階段前に出る。切符販売機や改札口が並んでいた。
 「こんなところに、朱雀が……」
 「でも、ここに導いたのは、朱雀よ。さやかさんも、きっとここに」
 「ああ、そう思う」
 無人の改札口を抜け、壊れて止まっている電車の中に入る。中に、男がいた。
 「おい、朱雀はどこだ!」
 「ああ、あっちにいるよ」
 「おし、急ぐぞ」
 「ちょっと、待って」
 「なんだよ、タジュト」
 「こんなところに人がいるっておかしくない?」
 「……確かに。おい、あんたは?」
 「はは、ただの電車マニアですよ」
 男は笑っていった。
 「タジュトさん、今はそんなことより」
 シルアにそう言われ、タジュトは先を急ぐことにした。本人もただの電車マニアだということだし、と思いながら。
 しかし、シルアは途中で気づいたのだった。その男はすでにこの世の者でないことを。


草うららか |MAIL

My追加