気まぐれ日記
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母上のパソコン使って。ネットにつながってないのでタイトルなどは出ないけど、すんなりやってくれました。京都の友人に贈ってやります。(偉そう)
シンジュクのビルは北西の荒野の真ん中に建っていた。周りに何もないせいか大きく目立っている。 「入るぞ」 ビル内は電灯がついているところと、ついていないところがある。 「お兄ちゃん、このエレベータ使える」 エレベータが稼動している。ボタンを押すとゆっくり動きだしドアが開いた。 「明らかに、罠ね」 と、シルアが眉をひそめる。 「でもよ、さやかがその先にいるってことだぜ」 オードが笑う。だから、エレベータに乗り込んだ。二階のフロアは迷路のようになっていたが、シルアのおかげで迷わずにすむ。 「どういう建物だったんだろう?」 「さあな」 「朱雀がそう作り変えたのかもしれない」 またエレベータがあり、それに乗って三階に。今度はドアばかりが並ぶフロアだった。そのため手分けしてドアを確かめる。ドアを開けてもその先が壁だったりした。また、何もない部屋だったりする。やっと通路を見つけて進む。通路の先のドアを出ると、ガラスの散らばったフロアに出る。そこからまたエレベータに乗り、今度は下がった。 「今度は、二階だよな」 その二階のフロアは先ほどの二階ではない。電灯が消え、窓もなく真っ暗だった。手探りで進まなければならない。やっと見つけたと思ったら、何もない部屋であったりした。そして、またエレベータ。今度も下がる。 「一階だな」 一階といっても出入り口はない。さらにエレベータに乗り、更に下がり、地下一階。大きな階段前に出る。切符販売機や改札口が並んでいた。 「こんなところに、朱雀が……」 「でも、ここに導いたのは、朱雀よ。さやかさんも、きっとここに」 「ああ、そう思う」 無人の改札口を抜け、壊れて止まっている電車の中に入る。中に、男がいた。 「おい、朱雀はどこだ!」 「ああ、あっちにいるよ」 「おし、急ぐぞ」 「ちょっと、待って」 「なんだよ、タジュト」 「こんなところに人がいるっておかしくない?」 「……確かに。おい、あんたは?」 「はは、ただの電車マニアですよ」 男は笑っていった。 「タジュトさん、今はそんなことより」 シルアにそう言われ、タジュトは先を急ぐことにした。本人もただの電車マニアだということだし、と思いながら。 しかし、シルアは途中で気づいたのだった。その男はすでにこの世の者でないことを。
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