気まぐれ日記
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が、やって来た。どういうわけか、最初から問題有りらしい。その答えは 火曜日に聞くことになると思うが……。
人間の姿に化けた魔物が電車内にいた。話しかけたとたん、正体を現し襲ってくる。すぐに応戦して、倒す。 「くっそ、邪魔なやつらだ」 「ここに好んで来る人はいないと思うわ。話しかけないほうがいいわね」 ついに一番車両についた。そこには、さやかと魔物が並んでいる。 「さあ、その子を返すんだ!」 魔物が襲ってくる。同時にさやかも姿を変えて襲う。 「この子、さやかちゃんじゃない!」 「みりゃ、わかるって!」 またもや、偽者。倒しても、その先は運転席しか見えない。 「上だ!」 オードが叫ぶ。電車の屋根に上ると、そこに朱雀がさやかを隠すように立っていた。 「ここならば、逃げられまい。よくぞ、玄武、青龍、白虎を倒してくれた。これで私は、四つの世界を牛耳ることができる。あとは、お前たちを殺すだけだ。最後に言いたいことはないか?」 「ああ、最後じゃないけどな」 と、オードは不適に笑う。彼は戦いで魔物の肉を食べつぎ、ガルーダとなっていた。 「あんたなんか、やっつけちゃうわよ」 「忘れたか? 私には……」 「いつまでもバリアに守られているなんて思ってないでしょうね」 「ああ、頼むぜ、総長!」 『だから、総長でないっつーの。しかし、朱雀認識。起動する!』 イレイサー99から光がほとばしる。朱雀をまんべんなく包み、朱雀を守るバリアが消えた。 「愚かな! これで勝てると思うのか? 私は四天王、朱雀だ!」 朱雀は羽根をばたつかせ、炎を起こす。オードがその前に竜巻を起こし炎を風で押し返した。 ダノはドラゴンソードを構え、くちばしで襲いかかる朱雀を防ぐ。シルアはサイコダガーよりも効果の高いサイコソードで攻撃、タジュトはまたどこからか拾ってきた武器を手にはめていた。猫の手のような武器だった。 「人間ぶぜいが!」 朱雀が四人に向かって煙幕を張る。皆が黒い煙に包まれ見えなくなる。オードが竜巻を起こそうとしたが、見えないので他の仲間に影響を与えかねない。シルアもタジュトも闇雲に武器は振れない。しかしダノは迷わず朱雀の首に剣を刺した。 「な、なぜ……」 「総長が、教えてくれた」 朱雀が断末魔を上げ、消えていく。そして、後ろにさやかが残っていた。 「やったぜ、総長」 ダノは、完全に朱雀が消えた空間を見つめ、つぶやいた。 「ダノさん、すっごーい!」 さやかが黄色い声を上げる。この都市世界から朱雀の恐怖が消えた。
「そう、兄さんが……」 さやかに総長のことを話すと、彼女はすぐにそれを皆に伝えた。まだケガをしている者が多かったが動けない者を残して、彼らは墓標を作った。遺体無き墓の前で皆が黙祷した。そして、さやかとダノたちを残して去っていった。 「これ、君の兄さんの鉢巻だけど……」 「それは、兄さんがダノさんに託した物だから、お願いです、ダノさんが持っていてください」 「うん、わかった」 差し出しかけた鉢巻を、自分の頭に巻いた。 「結構似合うわよ、お兄ちゃん」 「そうか?」 「さやかちゃん、これから、どうするの?」 「もちろん、がんばるわ。いつまでもメソメソしてられないもん。だって、あたしが二代目総長だもん」 「そっか」 「そうそう、これ朱雀を倒したときに落ちていたんだけど」 さやかがポケットから赤い球体を取り出した。 「ああっ、クリスタル!」 「これ、もしかしてダノさんたちに必要なもの?」 「うんうん、ものすごく必要!」 「よかった、そんな感じがしたの。だっていかにも重要ですってひかってたんだもん」 塔、さやかの世界ではタワーと呼んでいる場所で、彼女と笑って別れた。彼女はもう朱雀が襲ってこない荒地でバイクを走らせる。 「さやかちゃんって、強い子だね」 タジュトが感心していた。 「二代目総長って、大丈夫かしら」 「ま、大丈夫だろ」 「ああ、彼女には守ってくれるやつらがたくさんいるんだぜ」 四人は再び塔の中へ入っていった。
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