気まぐれ日記
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占いの案内のメールでそんな項目。 「いつ、辞めることができるの?」 と占いたい。(でも、所詮占い)
再び 塔 十四階
十四階の世界はもうすっかり水が抜けていた。人物も何か微妙に違う。 「あ、あなた方は……」 青年に話しかけられた。 「あんた、誰だ?」 見覚えがあるが、誰だかわからない。 「たかしです。その節はお世話になりました」 「た、たかし君!?」 「ええ、今では一児のパパになってます」 「えええッ!」 塔の時間は統一していない。ダノたちには一日足らずだが、たかしにとってはダノたちは十数年ぶりの再会なのだった。 「塔ではやはり時間の流れが違うんですね。最近あまり人が来ないんですよ」 「へえ……」 外では子供たちが遊んでいる。 「してんのうごっごやるひと、このゆびとーまれ!」 「あたし、すざく」 「ぼく、せいりゅう!」 「おいら、げんぶ」 「おれは。びゃっこだ!」 のんきなものだ、とダノは思った。 「子供の時は無邪気でいいですね。僕もああやって意味もわからず遊んでいました」 「意味?」 「ええ、玄武、青龍、白虎、朱雀。それらをまとめる大王が、阿修羅という恐ろしい魔物です。だから、僕たちはやつらの手の伸びないここで暮らしています。中には、力尽きた魔界塔士がこの地に落ち着くといった例もあります」 たかしと別れて塔へ向かう。子供たちはまだ遊んでいた。おにごっごのようなものだろうか? 走り回っている。 「阿修羅か……」 いつか戦わなければならない相手だ、と思いながら彼らは塔の扉を開けた。
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