気まぐれ日記
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2005年06月29日(水) |
絵本展に行ってきました。 |
ロシアの絵本、1920年代〜30年代の絵本。 ほのぼのあり、教育ありで絵柄も様々。 でも、子供の本でありながら時代を投影しているので戦争の奨める話もある。一方で、イギリス人の黒人差別を訴える絵本もある。なんだか考えさせる中、日本を題材にしたものは、井戸に落ちた子供が長い名前のためにおぼれ死んでしまったといったもの。ただ、第二次世界大戦中になると物資も意欲もなくなり、絵本も豆本になってしまう……。(泣) 「火事」という復刻本を買った。消防士クジマ、かっこいい!
塔 十三階
扉を開けると、見渡すだけの狭い世界があった。太陽がさんさんと輝いている。 「暑い」 ダノはつぶやいた。地面は乾ききってひび割れている。 「み、み……みず……」 彼らは武器を手に取ろうとした。しかし、すぐにやめた。タコが地面で干からびかけていたのだ。 「お兄ちゃん」 ダノはうなずいて、水筒の水をタコにかけてやった。塔内のあちこちに飲み水がある。そこから汲んだ水だ。何かのためになるべく汲んでいた。 「あ、ありがとう……しかし、われわれの仲間は水不足で苦しんでいるのだ……雨が降れば。このところ雨がまるっきり降らない。どうしたらいいのかわからないのだ」 「雨ねえ……」 「雨乞いすればいいんじゃねえか?」 「あ、雨乞いはダメだ。焚き火はダメだ。われわれは火が嫌い。火をおこすものもいない」 他のタコも水を求めてダノの周りにやってきた。 「み、みず」 「ミミ、ミズ」 「みず、ミズ、水」 「水をくれ〜」 きりがない。ダノたちの水は空っぽなのにもかかわらず、タコは寄ってくる。 「仕方がないわね。ブリザド」 タコたちがつぎつぎに凍る。 「これで干からびることはないでしょ。さ、ダノさん、行きましょ」 「シルア、大胆だね」 「タジュトさんにはかなわないわ。多分、この上で何かあるのよ行きましょ」 彼らは十四階へ急いだ。
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