気まぐれ日記
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2005年06月28日(火) 急なお休み

 また、美術館でもいこうかと思ってます。
 「幻の絵本」ってどんなのだろう?


  塔 十二階

 そこは、白い雲海の世界だった。ただし、先ほどの世界のミニサイズ番である。
 「ここ、なにかあるかな?」
 タジュトは白い雲に足を踏み入れた。そして、
 「きゃあああーああああ……!」
 タジュトはダノたちの視界から消えた。
 「どうした! タジュト! うぉわおおおおおお……!」
 「風!」
 「なんてこった! 二人ともどこへ」
 「私たちも風に乗りましょ! そうすればダノさんたちに追いつくかも」
 強い風が吹き荒れる中、シルアはダノたちのあとを追うように風に乗った。
 「おい、待ってくれ!」
 オードは風に乗らずに留まった。オーガの身体は重くて飛ばない。彼は、ひとり残された。
 
 数時間後、タジュトは塔のそばに戻ってきた。
 「やっと戻れた……」
 続いてダノとシルアも。
 「同じとこ、ぐるぐるぐるぐると回ってたよな」
 「そうね……」
 三人はぐったりと塔に入ろうとした。が、近くに黒猫がいた。虎ほどにも大きい黒猫が……。
 「こんなところに、何故!」
 シルアが驚く。ダノも思わず武器を構えた。ここでは見なかった魔物だった。そして、知る限り強力な魔物でもある。
 「待ってくれ! 兄貴」
 黒猫が叫ぶ。
 「あなた、オードね?」
 と、タジュト。ダノは武器を収めた。
 「これが、魔物の特徴ね」
 「ああ、兄貴たちを待っていたら、ハーピーが襲い掛かってきてな、腹いせに喰ったら虎族になっちまったんだ」
 「へえ……」
 「わからないで、すまんかったなオード」
 「でも、変わりすぎだもの」
 「しっかし、妙な特徴だよな」
 「へへっ、兄貴どんななりをしていても俺は兄貴について行きますぜ」
 三人は、その世界をあとにした。
 「えっへっへっ、なんか拾っちゃった」
 「またなんか拾ったのか?」
 「でも、これなんだろ?」
 「いいからとっておけよ」
 タジュトはガラスの小瓶を眺めから、そして鞄に入れた。兄に言われたとおり、とっておくつもりなのだ。


草うららか |MAIL

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