気まぐれ日記
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2005年06月24日(金) 二週間ほど前まで

 気温が低いと嘆いていたのに、今じゃ気候も良くなり霧の季節。
 霧といえば、競馬の季節。(去年も言っていた)
 海は真っ白で水平線も見えない。職場が少し高いところにあるが、町が少し霧がかっていて幻想的。でも同時に烏賊の季節。


 薄暗い牢獄。三人のほかに、二人ほど牢に押し込まれている。
 「お兄ちゃん、大丈夫?」
 「うう、まだびりびりする」
 ダノはまだ動けないでいた。
 「ごめんなさい。麻痺止めは買ってなかったの」
 と、シルアがうつむく。
 「シルアが謝ることじゃないだろ。それにもうそろそろ痺れがやむだろ」
 ダノは一つしかない石製の台をベッドにしていた。
 「お前たちは何やらかしたんだ?」
 人間の男が話しかける。
 「あんたこそ、何をやったの?」
 「俺は盗みを少々な。で、お姉ちゃん方は?」
 「あたしたちは罠にはまったのよ。あのミレイユっていう人に騙されて」
 「ミレイユって、あのレジスタンスの?」
 「そう、お姉さんまで裏切ろうとして……」
 「それは、ないな。ミレイユは優しい子なんだ」
 男は否定した。その言葉の続きを三人は待っている。
 「きっと、渡すものは渡して、みんなを助けるつもりなんだよ」
 「でも、この城で暮らすって……」
 「自分が犠牲になっていいと思っているだ、きっと」
 「……そうか」
 ダノは起き上がった。体操するように身体を動かす。痺れはだいぶ取れたようだ。鉄格子に手をかける。
 「やめれって。無駄だよ」
 こじ開けようとする彼を男は止めた。
 「でもよ、あのミレイユだって、ジャンヌだって……二人で一緒に暮らすのが幸せだろ!」
 「兄貴じゃ無理だ。まだしびれも完全にとけていないんだろ」
 今まで壁を背にして眠っていたオーガがむくりと立ち上がった。
 「話は聞いていたぜ」
 オーガは鬼族の魔物だ。太い腕で鉄格子を掴む。一気にひん曲げる。 
 「すげっ!」
 「どうだい、兄貴。俺もあんたらについて行きたいんだが」
 「でもよ、俺たちは魔界塔士だぜ?」
 「魔界塔士? 兄貴たちは塔からきたのか? ますます面白い! 一生ついて行くぜ」
 「お兄ちゃん、慕われちゃったね。オーガに」
 「心強いわね。頼りになりそう」
 「そうだ、あんた名前は?」
 「オード。兄貴は?」
 「ダノ、で妹のタジュトにシルアだ」
 男は牢獄に留まっている。
 「あんたはここに残るのか?」
 「ああ、足でまといだからな。もし、行く先にミレイユがいなかったら、北東にある神殿に向かうといい。そこがクリスタルの開放場所だからな」
 「ありがとうよ」
 「いや、いいんだ。ミレイユを助けてやってくれ」
 ダノたちは新しい仲間を連れ、城の出口へ向かった。


草うららか |MAIL

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