気まぐれ日記
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疲れた日の後は、疲れてます。今日は職場で睡魔と闘いました。 私の負けでした。 発注書を書いていたときに襲われ、字もヨレヨレ、数もぐちゃぐちゃ。 もちろん、書き直しました。
青いクリスタルと掲げると、六階へ通じる扉が開かれた。 「よし、進むぞ」 ダノはまた一歩踏み出した。
塔 七階
七階には小世界があった。塔から出ると海に囲まれていた。 「また海だね」 タジュトが周りを見渡す。北の方角に陸があるのが見えた。後の方角は海が広がっているだけだった。 「行ってみよ、お兄ちゃん」 「うーん、でもよ。海だぜ?」 「私、泳げないから……」 「えー、でも、なんか陸にきらきらしたものがあるんだけど。私だけでも行ってみる」 「おい、タジュト!」 タジュトはばしゃばしゃと海に入った。その姿はいっこうに沈まない。とうとうそのまま陸に着いた。 「ずうっと浅いよー!」 陸から彼女は叫ぶ。 「なんか変な像がいっぱい置かれてるー!」 浅瀬であれば、と二人も浅瀬を渡っていった。タジュトの言うとおり、金色の魚のような生き物をかたどった像がずらりと並べられていた。この世界は、これしかないようだ。 「なんだろうね、これ?」 タジュトは少し近づいてそれを眺めた。 「これは、シャチホコです。お城の屋根に飾るものみたいです」 シルアはそう言ったが、ダノとタジュトは信じられないといった顔をする。 「でもよ、見たことないよな」 「うん」 「お城といっても、ナゴヤ城というところにあるらしいの。私も詳しくは知らないです」 「でも、なんか珍妙なものだよな、これ」 「そうだね」 タジュトはシャチホコの頭の部分を撫ぜた。 「珍妙とは何事だ」 「きゃあ!」 「しゃべった!」 シャチホコがしゃべった。タジュトが飛びのき、ダノが刀に手をかける。 「わしはここから動かん。何もせん。しゃべって悪いか!」 ダノは刀を納める。シャチホコは安心したように、よろしい、と言った。 「ここに人が来るのは、久しぶりだな」 シャチホコは語り始めた。 「あんたは何でここにいるんだ?」 「そういうさだめだからだ。お前たちがどこから来たのか知らぬが、この塔のことをどのくらい知っている?」 「どのくらいって、てっぺんに楽園があるんだろ?」 「楽園か。まあそれもそうだが……時間の流れがおかしく思ったことはないか?」 「そりゃ、こんな塔の中にいたら時間の感覚もおかしくなるな」 「それだ。例えば今日は六月十三日とする。しかし、お前さんたちが住んでいた世界では六月十三日とは限らない。ここは時間の流れが一定していないのだ」 「それはつまり……」 「この塔の中では時間は意味がない。あの方が時間は必要ないとおっしゃって……おっと、話が長くなったな。青年、この下を掘ってみろ。わしからの餞別だ」 ダノは言われたとおり掘ってみた。瓶が手に当たる。ハイポーションだった。 「ありがとよ、シャチホコ」 「達者でな」 三人は浅瀬を渡り、塔へと戻った。その後、そのシャチホコが消滅したことを知らない。
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