気まぐれ日記
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それが、どうしたのといわれればそれまで。 それでも三年目も、わけわからないのとか、自分勝手なことを書いていきますので、何とぞよろしくお願いします。
海賊のアジトはすぐに見つかった。何故なら、海賊旗が堂々と立っていたからだ。 「よっしゃ、やるぜ」 「お兄ちゃん、殺しちゃいくらなんでもまずいよね」 「いいか、良くて半殺しだからな」 「それもダメなような気がするけど」 海賊たちは留守のようだった。居眠りしていた見張りを張り飛ばして、お縄につかせる。 そして、親玉の帰りを待った。 「こ、これは、どういうことだ?」 帰ってきた海賊船長と、その船員。見張りが縛られて転がっているのを見て驚く。 「やっと帰ってきたか、悪党」 ダノは刀を抜いた。 「あんたらはこの俺が成敗してやる……なんてな。俺は正義の味方を気取るわけじゃねえけど、あんたらがいると俺たちにしても迷惑なんだ」 「くそガキが、やっちまえ!」 手下、子分、船員たちがダノに向かった。 ダダダダダダダダダダッ! タジュトのサブマシンガンが火花を散らす。シルアのブリザドが地面を凍り付ける。 「足止め足止め。これ以上は行かせないんだから」 「おとなしくしてくだされば、凍傷した足はケアルで治します」 動けるのは、船長だけのようだった。 「ちっくしょー、ガキのクセに生意気な! こうなったら、先生、お願いします」 先生と呼ばれた男は、入り口から現れた。 紺のスーツにマント、本を抱えて厳かに登場。 「なんでしょう? 私は今、魔術の研究をしていたのに……」 「先生、頼みます。あいつらを!」 「わかりました」 ダノは刀を振り上げ、本を真っ二つにした。 「まだ、やるか」 「……いえ、きょ、今日は気分が乗らないな……さらば!」 逃げようとする先生の襟首を掴んでダノは縄で縛った。 「これ、スリプルの書だ」 真っ二つにされた本を見てタジュトが叫んだ。 「この人の魔力は大したことありませんよ、ダノさん」 「だって、私はまだ見習いなんです。見逃してください」 それまで格好つけていたのが、今では涙と鼻水で顔を汚している。 「だとよ、船長殿」 「くっうぬぬぬぬ」 ややして海賊一団は、解散された。団員は全て最初の港町の役所に頼み、牢屋に入れられた。 「これで、すっきりしたな」 ダノは礼金を受け取って満足げだった。 「今度こそ、海底ね。レッツらゴー!」 「でも、水冷たそうね。ファイアの書買っていきましょか」 シルアはそう言って店屋に入った。
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