気まぐれ日記
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これが五月か?というような天候。去年は例外的に暑かったが……。 明日から、なんと六月なのだよ? 信じられる?
更に南の小さな島。そこに大きな木が生えている。 「おーきな、くうきの木の下でー」 例によってタジュトの怪しい歌が聞こえたが、無視しておく。ダノは、乾燥した実を探そうとした。木の下にはいくつか実が落ちているが、あまり乾いていない。 「そこで、何をやっている」 頭にバンダナ、縞のシャツ、大きく反った剣を持った男。体格はいい。 「あんたは?」 「まずは質問に答えな。何をしている?」 「空気の実を捜してんだ。乾いている方が持ちがいいって聞いたんでね」 「へえ、そうかい」 その男はダノを蹴り上げようとした。しかし彼はそれを避ける。 「お兄ちゃん、どうしたの?」 タジュトはすでにサブマシンガンを構えていた。シルアも本を開きかけている。 「ああ、なんか急に襲ってきやがったんだ」 「もしかして、海賊」 と、シルア。 「そうかもしれない」 「そうかもしれないって、そうだっつーの!」 男は抗議したが……まもなく、お縄についた。 「やっぱり海賊だったんだ」 「そうだって言っただろ!」 「おい、海賊。お前らのせいで街の奴らが困ってんだよ、船出せねえってな」 「ふん、俺一人が捕まったところで何も変わりやしねえよ」 「そうだろうなあ、だからお前のボスをやる」 「か、隠れ家なんか教えねねえぞ」 「探すからいい」 「くそっ」 シルアは、下を見ながら探している。乾燥した実を三つ、半渇きのものを一つ見つけた。 「これ、だいじょうぶかしら」 「本物よね」 「一つ試しに使ってみるか」 ダノは半渇きの実を海賊の口に押し込んだ。 「な、なにをする!」 そして、縄をつけたまま海に投げ込む。五分ほどそのままにして引き上げる。 「何すんじゃ! このやろー」 海賊再び抗議するが、三人は聞いていなかった。 「元気だね」 「これなら、大丈夫そうね」 「よし、先に海賊やるか、渦潮に飛び込むかだな」 「海賊にしましょ。この人をこのまま連れて行くわけにはいかないでしょ」 シルアがそう言ったので、ダノはそれに賛成した。動く島に乗り、北東の街を目指す。不思議なことにやはり島は彼らの行きたいところへ向かった。
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