気まぐれ日記
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って、二日で一話じゃん!
ロセウは大きな街に足を踏み入れた。 「すっげー! でけえー!」 まだほんの入り口だった。大きな門が口を開いている。その先は幅の広い橋がかかっていて街の入り口へと続いている。 「しばらく見ないうちにずいぶん大きな街になったものだ」 アニムは久しぶりにこの街を訪れた。大きな街ゆえに、いろいろな種族も集まる。今日日のエルフはウォンテッダーをやるものも少なくない。そのほか、人の姿に近い獣人やら悪魔やら魔族やら天使やら、この街に来ない種族はいないとされている。ロセウが堂々と顔を出して街を歩けることはあまりないのだから、と思いこの街にやってきた。 「ロセウ。あまり先に行くでない。はぐれると小生では見つけられぬからな」 「うん」 しかし、もの珍しいものがたくさんありそうなこの街の誘惑に彼は勝てなさそうだった。だから、彼はアニムのローブの裾を掴んで放さないようにした。 「今日は疲れたであろう。ここしばらく野宿が続いたことだし、朝からずっと歩き通しだ」 アニムがこう言う時、自分が疲れているんだとロセウが解釈する。なので、彼はすぐそれに対して答えを出した。 「宿探すんだね?」 「どこか手ごろな値段のところはないかのう」 旅人用のガイドブックには、良心的な宿の紹介があり、それにしたがって探す。 「ここが、よさそうだのう」 「うん」 少々古いが小奇麗である。建物もしっかりとしていた。 「いらっしゃいませ。お泊りですか?」 受付の娘はやたら元気に挨拶をした。 「ああ、一部屋頼む」 「かしこまりました。荷物お願いします」 「へいへい」 現れた男は、彼らの荷物を持ち上げた。 「お、アニムじゃねえか」 「お主は……ブロードか。何十年ぶりかのう」 「この街には今着いたのか?」 「お主こそ、ここで何をしておるのだ?」 「バイト。みりゃわかるだろ」 「そりゃ、そうだのう」 「そっちの子、もしかして隠し子か?」 「まさか。大切な預かり子だ。ロセウという。ロセウ、こやつは小生の古い知り合いでのう」 「こんにちは。どれくらい古い知り合いなの?」 「おう。俺はこいつが、こーんな小さいときから知ってんだ」 ブロードが手を腰の上辺りにかざして言った。ロセウが首をひねる。 「おじちゃん、人間だよね?」 「こやつは、ただの人間ではないのだ。ブロード、さっさと部屋に案内せい。小生は疲れた」 「はいよ。こっちだぜ、お客さん」 ブロードは荷物を担いで廊下に出た。 「お主がバイトをしているということは、奴もおるな。何かあったのか?」 「まあな。だから首突っ込むんじゃねえぞ」 部屋の鍵を開け、荷物を置く。鍵をアニムに渡すと出て行く間際に振り向いた。 「でも、久しぶりに会ったんだ。俺は夕方にはバイト終了だから夕飯でも」 「たかるつもりか?」 「いや、夕飯は只で食べられるからいいんだ。注意事項を二、三伝えておく。じゃな」 「では、夕方な」 ブロードが部屋を出て行く。 「何か、本当にやばいことが起きているかもしれないのう」 アニムはブーツを脱いでベッドに寝転がった。 「なんで?」 それをまねてロセウも隣のベッドに転がった。 「あやつは魔族なのだよ、ロセウ。それも人間から魔族になったのだ」 「なんで? どうやって?」 「それが良くわからんのだ。そういう偶然が重なったのだよ、多分」 「ふうん」 転がっているとうとうとし始めた。こうして二人は夕方まで昼寝をした。(続く)
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