気まぐれ日記
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なんだってば。辞めるのは。副園長……。 ともかく、職場の上がしっかりしていないからっていう理由も一つなのだよ。
彼はとある街のはずれで、ぼんやりとしていた。木に寄りかかって座っていた。夕暮れ時で、今にも太陽が沈みそうな時間だった。 「どこ行くんだ?」 彼の目の前を通り過ぎた裸足の女が、足を止めてこちらを振り返った。彼女は変えに気づいていなかったらしい。 「もう、夜になるんだぜ? そんななりでどこへ行くんだ?」 裸足の女は、薄い服を着ている。まだ冷える季節だと言うのに。彼女は答えなかった。そして、彼を無視して行こうとする。 「この先、危ないだろ。夜盗に会うかもしれない、狼に出くわすかもしれない、暗闇で迷うかもしれない」 彼女は、やはり無視していこうとする。彼は立ち上がって駆け寄って、彼女の腕を掴んだ。 彼女は、はっとして立ち止まる。そして、煙のように消えた。しばらく、手は掴んだ形のままになっていた。その手をほどき、空を見上げた。夜になっていた。 「……これで、満足なんだな」 「ええ、上出来よ」 彼はつぶやくと黒いストレートの髪の女が現れて、拍手を送った。 「オフィーリス姉ちゃん、一体何人の妹さんを葬ればいいんだ?」 「さあ、とにかくいっぱいいるから……」 「つーか、本当にいいのか?」 「いいのよ。いずれ私がやらなければならないし。放っておいてもそうなるのだから。せめて、あなたの糧になれば……そうでもしないとあなた、自分から糧を得ようとしないでしょ、ブロード」 「……その通りだけどさ」 わかっていても腑に落ちなかった。 「さ、次は……」 「まだ、やんの?」 「あの子は夜限定だから」 彼女は、淋しそうに微笑んだ。
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