気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
って、なっていた。タイトルと言うより文書名。 本当に、冒頭部分しか書いてないのよ。これは。
べグゼッドは朝起きてすぐに新聞を読む。 それが、彼の日課である。寝巻きのまま自室のイスに座り、国中の全部の新聞に目を通している。これで、大概の国で起きた事件は入ってくる。大きなものは直接城に来るが、誰かが小銭を泥棒したとか、宿屋が隣の宿屋と喧嘩したなどのは入ってこない。特に知りたいと言うわけではないが、それが国を治める者の勤めでもある。 一冊十分ほどで読み終える。内容は全部頭に入るが、特に必要ないものは順に忘れていく。 「全部の新聞に昨日の事件載ってるな」 夜中、少し騒がしかったのを寝ぼけた頭で覚えている。殺人事件など、滅多に起こらないのだから騒ぎになるのは無理もない。 そして、犯人もわかってはいない。 次々に読んだ新聞は積み重って行き、最後の新聞で手を止める。わが国でも、一番と言われるゴシップ紙。四行に一行は嘘と思えといわれるほどの噂のみの新聞である。これを読むのはお遊びだとも。 彼は、その新聞を開いた。いつものことである。内容はほとんど信じてはいない。ついでに読んでいるという感覚だった。 しかし、今朝はそうは行かなかった。その部屋には彼一人だったが、もし誰かがいたら彼の顔色が変わるのがすぐにわかるだろう。 「なんだよ、これ」 べグゼッドは立ち上がった。寝巻きのままグオンの部屋に向かって入った。 「なんだ、騒々しい」 グオンはすでに軍服をぴしっと着ていた。いつものことだが。 「これ、なんなんだ?」 「それ、か。気にすることもないだろう。その新聞なら」 彼も新聞を読んだらしい。面倒臭そうに答えた。 「そうだけどさ……」 新聞には、こうあった。 『……深夜の殺人事件。偶然わが社の記者がそれに遭遇した……酒場から出る際に、子供らしき人物とぶつかった……被害者の横には赤い髪。犯人は赤い髪の子供か? そういえば、わが国のべグゼッド王子は見事な赤毛だ……』 つまり、その殺人事件の犯人を軽い気持ちでべグゼッドに仕立て上げられてしまったのだ。
|