気まぐれ日記
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| 2005年03月30日(水) |
緒事情により、(その2) |
やっぱり行くことにします? 未定のまま。 それにしても、もうすぐ4月というのに、今朝は吹雪いていました。 春はいずこ?
結局二人は、元の位置に戻っていた。二回目である。 「どうする、どうやら私たちをこの森から出さないつもりみたいよ」 「うん。そうだろうね」 「また、歌ってみようか?」 「どうだろう?」 「案外うまくいくかもよ」 彼はうなずいて、あのギターのようなものを取り出した。 「それ、どこにもっていたの?」 「ああ、これ? 取り寄せる魔法」 「便利すぎ。まあ、いいけど」 ともかく、彼は前奏をを引き始め彼女は歌った……何も起こらなかった。元のように森があり、獣の鳴き声が遠くに聞こえる。 「何も、起こらないね」 彼はつぶやいた。 「違う。この森が私の魔法力を吸収したの。だから、ここでは魔法は使えない」 「俺は使えたけど?」 彼が手にする楽器を見せる。それが、手品のように消える。彼に言わせると、「しまった」ということだ。 「じゃあ、私の世界じゃないのね。ここは」 彼らは黙ってしまった。この森から出られずにこのまま一生過ごすのだろうかと彼女は不安になった。日が落ちようにとしている。夜は不安だった。せめて、月があると明るいのにと彼女は思った。 「誰だい、帰ってみればお客様がいるなんて何年ぶりだろうね」 そんな声が聞こえた。彼女は知らない声。しかし彼は知っている。 「レスティ!」 彼の向く方向を彼女は見た。小さな身体をした少女だった。ランプを掲げてこちらを照らしている。 「コウ、お前、コウだね」 「そうだよ」 レスティは走ってこちらに向かってきた。 「お前、どこに行っていたんだい。とにかく無事なようだね」 「レスティも、やっぱり無事だったんだね」 「そりゃ、あんな魔女にやられちゃレスティの名が廃るからね。で、そっちのお嬢さんは?」 「彼女は、別世界の魔女だよ。ここに来れたのも彼女のおかげなんだ」 「そうかい。まあ、立ち話もなんだからね」 レスティが、ランプを投げ出した。そこがぱっと明るくなって、一軒の家が出来た。 「あたしの家だよ。お入り」 急に老婆になったレスティが、にやりと笑った。
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