気まぐれ日記
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まさか、これが最後のキャストだったとは本人たちにもわからなかっただろうけれど、大山ドラえもん映画の最後にふさわしいものではなかっただろうか? ずうっと前、ここで「最近のドラえもん映画はつまらない」と書いたけれど、これは面白かった。(いろいろツッコミたいとこもあったけど)
そんなある日、彼女は妙な人物に出会った。 路上で歌を歌っている人がいることはわかっていた。(人に歌を聞いてもらう目的がよくわからなかったが)しかし、彼は違っていた。人間とは明らかに。見た目は人間と変わらない。彼女もそれは同じだ。 彼には魔法力がある。 彼は、ギターを弾きながら、わからない言葉で歌っていた。しかし、不思議と心に伝わってくるものがある。その歌が終わるまで彼女は待っていた。歌が終わると、彼は彼女に話しかけた。 「何か、用?」 日本語だった。彼女はとりあえず挨拶した。 「あ、こんにちは」 「こんにちは」 「いい歌ですね」 「そお?」 「言葉はわからないけれど」 「俺、この一曲しか知らないんだ」 ギターをボロンとかき鳴らす。よく見ると、この世界のギターとは少し違う。 「じゃあ、なんでここで歌っているの」 「ここに座っていると、世界のことがわかるんだ」 「へえ」 彼を改めてよく見る。一緒に講習を受けた人とも違う。この世界にも魔法力を持った人間がいるのかもしれないと、彼女は思った。 「君は、魔女かい?」 それは突然だった。ここで魔女と答えるわけにはいかない。自分が魔女と言うことは、決して知らせてはいけないことを、講習で学んだ。 「いいえ。何でそんなこと聞くの?」 「ごめん。そんなわけないよな」 「そうよ。あなたは変だわ」 いろいろな意味で。そして、魔法でも使えるんじゃないかしら、とも。 「変だとは失礼だな。でも、まあこんなところで歌っている連中も変だからな」 彼は笑いながらいう。 「ねえ、もう一回歌って」 「ああ、いいぜ。何しろ俺はこの一曲しか知らないしな」 彼はギター(のようなもの)をひき始めた。そして、歌う。言葉はわからないがなんだか懐かしい気持ちになる歌だった。彼女は自分の世界の両親と妹を思い出した。ふいに涙がこぼれる。それに気づいた彼は途中で歌をやめた。 「どうしたんだ?」 「ううん、なんでもないの。ごめんね」 彼女はその場から去って行った。彼は呆然と彼女を見送った。
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