気まぐれ日記
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彼はレスティの言いつけ通り、魔女のことを言わなかった。もっとも、彼は昼間は寝ていたので言うことはなかった。 夜、レスティから教わることを彼はどんどん吸収していった。今まで何も教わらなかったせいなのか、もともとが好奇心が旺盛なのか、はたまたどちらもなのか。ともかく彼は早いスペースで覚えていった。 「ねえ、レスティ。ぼく、外に出てみたい」 「そうね、今はまだ寒いからね。暖かくなったら外に連れて行ってやろうか」 「わーい楽しみだなあ」 「あんたは頭がいいからあたしも楽だよ。常識も語学もマナーも覚えてしまったし……今度はどんどん難しくなっていくよ」 「うん。ねえ、レスティ」 「なんだい?」 「ぼくに魔法を教えて」 「もちろん。あたしはあんたに魔法を教えるためにここにきているもんだからね。でも、魔法を教える前にほかの事を覚えなければならないんだよ」 「それが、言葉とかいろんなことなんだね」 「そうさ。ほんと、あんたは頭がいいよ」 レスティは思わず彼の頭をなでた。女王にもそんなことはされたことはないが、悪い気はしなかった。 「レスティは、ぼくのお母さんみたいだね」 「なに言っているんだい。あんたの母親は……」 「知ってるよ。女王様じゃないのは」 「……」 レスティは少し黙った。そして、彼に伝えた。 「あんたが本当の母親のところに帰れるように、あたしはそう祈るよ」 「ぼくの本当のお母さん……。どうすれば、会えるの」 「そのために魔法を教える。それまで、がんばれるかい?」 彼はうなずいた。言葉はなかったが彼は心に決めた。
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