気まぐれ日記
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目覚めが悪かったのか、見た夢(記憶なし)が悪かったのか、一日眠かった。調子が悪いとも言う。 旅行に行こうかと思っている。出来れば、バースディ割りが使いたい。それだけ。
女王に預けられた彼は、乳母に育てられた。女王自らが育てるわけではない。外には出されず、何も教わらず何年か過ぎた。ただ、一つだけ持ちこめられたのは、彼の名前、母親がつけた名前だった。 「コウ様、お食事の時間です」 「……うん」 言葉を教わらないため、彼はまだ片言の言葉しか使えなかった。出された食器を適当に使いぎこちなく食べるしかない。遊びもない。 ただ、時々女王が顔を見せに来る。 「お前の母親だよ」 「……お母様、ごきげんよう」 彼が覚えた言葉はこの程度だった。 「元気かい」 女王が尋ねる。 「うん」 「少しは大きくなったようだね」 「うん」 「ちゃんと、食べているかい」 「うん」 「そう、じゃあまた顔を見に来るからね」 そういって、女王は部屋を出て行く。 彼は何も疑問に思わなかった。ただ毎日をつまらなく過ごしていた。部屋からは出られない。外を窓から眺めることもない。乳母は文字を教えないし、言葉も教えない。 ある夜、魔女が彼を訪ねてきた。 「お母様?」 「いいや、違うね」 女王には似ていた。しかしこんな夜中に尋ねたことはない。 「今晩は、コウ。あたしはレスティだよ」 あの、彼の母親を訪ねた魔女だった。あの時は老婆の姿だったが、今は若い女性の姿をしている。 「あんたは、どうやってここに?」 「さ、あたしとお勉強しましょ」 「はあ?」 「ここの奴らはあんたを飼い殺しにするつもりだからね。あんたには知恵をつけさせまいとしているんだよ。今晩からあたしがあんたに勉強を教えるから」 「レスティ、遊んでくれる?」 「ああ、もちろんさ。その代わり勉強もするんだ。何皆簡単なことばかりさ。やるかえ?」 「もちろん。やることないもん」 昼は寝てすごせばいいのだ。誰も何も言わない。乳母もそのほうが好都合だろう。 「それと、レスティのことは誰にもしゃべっちゃいけないよ。ここにこられなくなるからね」 「うん」
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