気まぐれ日記
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2005年03月12日(土) はじめます

 

 講習は、面白い内容もあればつまらないものもある。
 生活についてのことは楽しかったが、政治面はわかりにくい。それでも、頭に入れておいたら良い、程度のことなので彼女は胸をなぜおろした。講習を受けるたびに異世界への思いは募っていった。
 自動車ってなんだろう?
 ビルってどんな建物?
 テレビってなに?
 語学は大変だった。だから自分の行く国に合わせて勉強したのだ。
 「リサさんは……日本人顔ね」
 「ニホンジン?」
 「ええ、日本国。この国よ」
 異世界の地図は球体で表している。それも不思議だった。教員は大きな大陸の隣にある小さな島を指した。
 「こんなに小さいの、日本国って」
 「ふふ、小さいかどうかは行ってみてから言うのね。じゃあ、習うのは日本語と、英語を少々」
 「英語ってなんですか?」
 「英語は異世界ではあちこちで話されてけれど、日本国では学校で習うくらいなの。あなたは学校へ行くべき年頃だから、少しだけでもおぼえておくといいわ」
 「そうですか」
 「あと、日本語は大変よ。ひらがな、カタカナ、漢字に謙譲語、丁寧語、尊敬語……」
 「なんですか、それ!」
 「異世界でも独自の文化だからなのよね」
 彼女は、とんでもないところに行かされるのではないかと不安になった。こんな狭い国で、講習で聞いた自動車もビルもテレビもないかもしれないと。
 「あの、ニホンってどんなところですか?」
 「行ってのお楽しみ」
 教員はくすくすと笑った。
 


草うららか |MAIL

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