気まぐれ日記
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講習は、面白い内容もあればつまらないものもある。 生活についてのことは楽しかったが、政治面はわかりにくい。それでも、頭に入れておいたら良い、程度のことなので彼女は胸をなぜおろした。講習を受けるたびに異世界への思いは募っていった。 自動車ってなんだろう? ビルってどんな建物? テレビってなに? 語学は大変だった。だから自分の行く国に合わせて勉強したのだ。 「リサさんは……日本人顔ね」 「ニホンジン?」 「ええ、日本国。この国よ」 異世界の地図は球体で表している。それも不思議だった。教員は大きな大陸の隣にある小さな島を指した。 「こんなに小さいの、日本国って」 「ふふ、小さいかどうかは行ってみてから言うのね。じゃあ、習うのは日本語と、英語を少々」 「英語ってなんですか?」 「英語は異世界ではあちこちで話されてけれど、日本国では学校で習うくらいなの。あなたは学校へ行くべき年頃だから、少しだけでもおぼえておくといいわ」 「そうですか」 「あと、日本語は大変よ。ひらがな、カタカナ、漢字に謙譲語、丁寧語、尊敬語……」 「なんですか、それ!」 「異世界でも独自の文化だからなのよね」 彼女は、とんでもないところに行かされるのではないかと不安になった。こんな狭い国で、講習で聞いた自動車もビルもテレビもないかもしれないと。 「あの、ニホンってどんなところですか?」 「行ってのお楽しみ」 教員はくすくすと笑った。
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